※個人的な妄想です
ご注意下さい






SS(約10年前)








「…こんなとこだったかな?」





駅のホームでボーッと街の景色を見ていた




高3の春、俺は生まれ育った街へ帰ってきた




編入試験は合格したからよかったものの、親父の転勤も家族にとっては迷惑しかない




ピュ~




春の生暖かい風が吹いた




トントン




誰かに肩を叩かれ振り向いた 





「んふふ、これ」





1人の男子学生がフニャんと笑って俺を見てる…





「えっ」





春の風になびくさらさらの茶色い髪があまりにもふわふわしていて俺は一瞬触れそうになった…





「はい」




あなたに伸ばした俺の手に、何か渡そうとしてきたので手のひらを上にした





「髪についてた」





あなたは桜の花びらを1枚ソッと俺の手のひらに乗せた




そして、その後すぐに来た電車にヒョイっと飛び乗るようにして電車は走って行った





「………」





俺は手のひらの一片の花びらが春風に飛ばないようにソッと優しく包み込んだ





そして、その後反対ホームに来た電車に乗って、新しい高校へと向かった