昨日に続きますが、辛口の話です、すみません。

実は原作はかなり史実を忠実に調べて書いていらっしゃるので、分かりやすく書かれていても内容のレベルは高いと思います。

ところが、宝塚で上演される度に改悪されてゆき、何だか時系列がめちゃくちゃになり、原作をご存知ない方が、

「やっぱりたかが、漫画やねぇ。話の時系列がおかしいやん、あはは」

みたいに言われる事もあったりして、　豊田○子さんじゃないけど、大声で

「ちーがーうー」

と叫びたくなりますね。

例えば、ジェローデルが、フェルゼンをスェーデンに訪ねた時に

「昨年の7月14日に革命が起こり、バスティーユが襲撃され、国王一家はパリのチェイルリー宮に幽閉された」

と助けを求めています。

2人はすぐにスェーデンを立ち去り、フランスに向かいますよね。

で、途中の村で、国王が処刑された事を知り、馬車を駆けてパリへ向かうー！

なんですが、幽閉された国王様が処刑されるまで、4年の月日が流れていて、この2人、一体どれだけの時間を費やしているのでしょう。

しかも、ジェローデルは、ここでほうりだされたのか、居なくなってます…。

この間にヴァレンヌ逃亡事件などを挟めば、話の辻褄が合うのでしょうが、端折るから、可笑しくなる…。

ジェローデルの回想で、この前にバスティーユの場面が入るのですが、すごく違和感ありました😰

それに、登場人物を効率良く動かさないといけないせいでしょうか、原作では、絶対にそんな事しないだろう！と思えるベルナールが王妃様を逃亡させる計画を立てている、というのも、すごく変…。

それに、今回も、フェルゼンがアンドレに向かって言う

「アンドレ、愛と言うのは、憧れだけではない。男と女が実際に生活して行く上で、どうのこうの…」

「身分違いがなんだ！」

の台詞にも、めっちゃ、違和感があるんですけど、私だけなんでしょうか。

フェルゼンは、身分の高い貴族で、ネッケル氏の令嬢とか、顔も見たことがない女性とも家の為に結婚しようとしたこともある人です。

それが、平民のアンドレに、こんな助言するかなぁと不思議です。

こういう台詞、まるで脚本家の植田先生がアンドレに言ってるみたいな錯覚さえ感じますわー。

宝塚のベルばらを観ていると、本当に原作のアンドレの魅力とか、良さが、まるで無くなっちゃって、なんかオスカル様にくっ付いていて、言葉だけかっこいい事ばっかり言っている男に見えちゃいますね。だって、行動でオスカル様を守る場面も無いしね。

ですが、ジェローデルとか、アランとかは、しっかり良さが書かれていて、台詞とかも良いですよね。

原作を読まなかったら、何故オスカル様が、アランやジェローデルを振って、アンドレを選ぶのか、宝塚のベルばらでは理解できないです。もう少し心情の変化を丁寧に書いて欲しい。

多分、脚本家の男の目から見ても、ジェローデルやアランは、良い男に映るんだろうなと思います。

宝塚のベルばら、一度女性の脚本家に書いて貰いたいなぁと今回つくづく思いました。

色々と不満はありますが、実際に舞台でビジュアルの再現度は、素晴らしいものがありますし、楽曲や歌も、良い物がたくさんあって、宝塚のベルばらの良さもよく分かっています。

でも、やはりベルばらの魅力はオスカル様です。

たとえフェルゼン編であっても、オスカル様は、丁寧に書いて欲しいと思います。

宝塚100周年記念の全国ツアー公演宙組のベルばら。

片付けをしていたら、出てきました。懐かしいですね💕

雪組公演「ベルサイユのばら」を観劇、その2