今日、静岡空港が開港しました。


牧ノ原の台地を切り開いて作った空港。お茶畑と富士山がとても綺麗なところです。


私は静岡ではありませんが、愛知の東の端っこに住んでいるので、静岡空港には、セントレアと同じぐらいの距離で行けます。


交通アクセスの容易さと、連休の混雑を考えれば、重宝しそうです。



昨日に引き続き飛行機ネタですが、今後、飛行機は中長距離交通の要になっていくのではないかと思います。


新幹線の路線を北海道に伸ばすよりも、あまり人が住んでいない田舎に高速道路を作るよりも、人口集積地を点と点で結ぶ飛行機は、大きなメリットがあると思います。



東京の1,000km南、太平洋の真ん中にぽつりと浮かぶ熱帯の島々、小笠原諸島・父島では、空港建設が物議をかもしています。


地元の強い要請にも関わらず、環境保護の観点から幾度も中止になってしまっているそうです。


現状では父島に行く手段は船のみ。一週間に1往復しかしない船で、2日ぐらいかけて行くことになります。


島民はまさに島流し状態。


緊急時には、自衛隊のヘリコプターで本土の病院に行くことができるそうですが、でも、それ以外の用事では、2日間かけて船に揺られて行くしかありません。


空港を切望する島民の気持ち、よく分かります。



環境か島民の利便性かと問題になっているそうですが、本当の論点は全く別のところにあり、


私には、この問題、簡単に解決できると思います。



父島の北にある兄島に空港をつくろうとか、父島をならして空港をつくろうとか・・・。


どうも観光客誘致のため、大規模なジャンボジェット機の離着陸を想定した空港にこだわっているから、費用もバカにならないし、島の大きさから難しかったり、また、環境も大規模に破壊してしまうため、空港建設ができないと言っているのではないかと思います。


果たして、父島にとって、空港をつくるならどうしても大規模空港が必要なんでしょうか?


また、空港ができれば、観光客がわんさと父島を訪れるのでしょうか?


よく小笠原諸島と比べられるのは、南西諸島です。


東京からの距離は、小笠原諸島・父島が1,000km、南西諸島・沖縄本島が2,000kmと父島のほうが近いですが、飛行機に乗ってしまえば、たかが1時間の差。


距離の近さはそれほど大きなメリットとはならないと思います。



問題は、観光設備の充実と人口規模を含めた島の大きさです。


父島の面積は、23k㎡。しかも絶海の孤島。


対する沖縄本島の面積は、1,207k㎡、父島の50倍、本土の一地域ぐらいの面積があり、もはや離島レベルではありません。


しかも、周りを多くの島々が取り囲んでいるため、海域全体で見た時の面積はさらに大きくなります。


人口に関しては、父島2,000人、沖縄本島120万人と、桁が違います。


沖縄本島は、島を越えた一つの地域であり、そこには都市もあれば田舎もあり、綺麗な海だけでなく、深い森も広々とした草原もあり、あらゆるエンターテイメントを楽しむことができます。


一方、父島は、人の手が入らない素の自然を楽しみたいスキューバダイバーなどにとっては、聖地とも言える場所ですが、食、サービス、買い物などなど、南の島でのエンターテイメントを楽しみたい一般の旅行者にとっては、味気ない場所のような気がします。


一般の旅行者にとって、海の綺麗さも、自然の美しさも、旅の楽しみの一つであり、全部ではありません。


総合点では沖縄本島が勝ると思います。



たぶん空港建設にgoサインが出ない最大の理由は、父島に空港を作っても、それに見合った観光客は見込めず、採算が合わないと、行政が考えているからではないでしょうか?



そこで、発想を転換して、利潤よりも島民の生活の利便性を考えれば、小規模の海上に浮かぶ空港がベストだと思います。


父島と兄島の間にある入り江にパネルを浮かべ、人工島を作り、その上にセスナ機が止まれるぐらいの小規模な空港を作ればどうでしょうか?


環境破壊も最小限に抑えられ、地元の人たちの利便性も向上すると思います。


造成費用も維持費用も最小限に抑えられるため、赤字にさえならないと思います。


ダイバーの聖地として、一定数の観光客は見込めるだろうし。


小規模空港が父島の身の丈にあったレベルだと思います。



アメリカやカナダなどでは、空の旅は一般化していて、電車やバスに乗ったりするのと同じ感覚で飛行機に乗っているようです。


事情を調べたわけではありませんが、そのため各地に小規模空港があるのではないかと思います。


実際、長距離移動のバスや電車は、飛行機に顧客を奪われ、あまり人気がないと聞いたことがあります。



莫大な公的資金を使い、広い大陸を縦横無尽に高速道路と線路で埋め環境を荒らしまくるより、都市と都市を点で結ぼうというアメリカの考えは、合理的かつ、理にかなった方法だと思います。



小笠原諸島や南西諸島などの離島を除けば、日本は、東京からせいぜい半径1,000kmぐらいの円の中にすっぱりおさまってしまうぐらいの大きさです。


都市間の距離も数百キロ程度。


アメリカのような広大な国ではないのだから、陸路の充実で十分。


そう思いがちですが、莫大な費用をかけ、環境を破壊して巨大な道を作るより、


やはり風景も何も変えない空の道は、昔の海の道に通じるところがあり、利便性の面からも、環境の面からも優れていると思います。



ジャンボジェット機が飛ぶような大規模空港は札幌、東京、大阪、名古屋、福岡、那覇ぐらい。


あとは、各地に小規模な空港を作って、空の道を結べば、これ以上、遠く離れた都市と都市を結ぶ高速道路や線路をつくる必要はなくなると思います。


ただ、飛行機は、搭乗手続きが大変。このあたりの改善が望まれます。


もし電車に乗るぐらい気軽に空の旅を楽しむことができるようになれば、日本のどこに住もうが、気楽にどこにでも行けるようになり、日本各地がもっと活性化すると思います。


日本のどこに住んでも車で1時間の距離に1つ空港があるようにする。


理想ですが、将来的には実現するかもしれませんね。