ジェネオン エンタテインメント
SURVIVE STYLE 5+ スタンダード・エディション
価格: ¥3,990(税込)

CMプランナー多田琢とCMディレクター関口現のコンビが、豪華キャストと豪華美術を使いオナニーした作品。この2人の事はよく知らんのですが、「むじんくん」とか「富士カラー写ルンです」とか撮ったらしいですよ。どうでもいいですね。実はこの作品、自分買ってないんです。なので特典とかはわからないです。ただ買わなくて良かったなとは思ってます。映画としてはどうしようもないんです。キャスト・美術・音楽はとても良いので、もしかしたら本編より特典の方が楽しめるかもしれません。そんな人には、SURVIVE STYLE 5+ コレクターズBOX というものあるみたいです。が、麻生たん出てないので自分はいらないです。別の麻生たんは出てるんですけどね。

■主要キャスト
浅野忠信
橋本麗香
小泉今日子
阿部寛
岸部一徳
麻生祐未
津田寛治
森下能幸
JAI WEST
荒川良々
Vinnie Jones
三浦友和
千葉真一
神木隆之介

どうですか。キャストむちゃくちゃ豪華じゃないですか。こんだけ集められて、お金たくさん使って、なんで面白いものが作れないのか・・・。監督が何を作りたかったのかはハッキリしてます。キャストにヴィニー・ジョーンズ使ってる時点でバレバレなんですけど、ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ をやりたかったんだよね。どう見ても。スナッチ じゃなくてロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ です。

タイトルの5+の意味は、主人公が5人(5組?)+αいるって事だと思います。まぁどうでもいいです。それぞれの主人公に独立したストーリーがあり、それがエンディングに近づくに従い1本になっていくってところがまんまロック、ストック です。ただし本家にあった高揚感は皆無です。



■あらすじ

殺しても殺しても生き返る嫁(橋本麗香)を、何度も殺そうとする旦那(浅野忠信)。殺すたびにパワーアップしていく嫁。それでも浅野は何度も殺そうと試みる。


人気の催眠術師(阿部寛)と、その恋人であるCMプランナー(小泉今日子)。面白いCM作りに命を掛けている小泉だが、阿部に今まで制作したCMを、おもいっきしバカにされ、殺意を覚える。


人気催眠術師(阿部)のステージを見に行くファミリー(岸部一徳、麻生祐未、神木隆之介、他)。ステージ上の余興で、自分が鳥だと思い込んでしまう岸辺。催眠術成功に盛り上がるが、催眠術を解く前に阿部は何者かに殺されてしまう。殺したのは荒川良々、ヴィニー・ジョーンズ。小泉が雇った殺し屋だった。


その頃岸辺一家の家には空き巣(津田寛治、森下能幸、JAI WEST)が侵入。いかれた空き巣どもは見つけたトランプで遊んでる。


自宅に戻ってからも一向に元に戻る気配の無い岸辺。絶望する家族。その中で息子の隆之介くんだけは、鳥になった父を理解しようとする。


殺しても殺しても死んでくれない嫁に困り果てた浅野は、とうとう嫁の殺害を殺し屋に依頼する。


そんなこんなで、それぞれ別の軸で動いていた登場人物達が、一本の道に結びついていく・・・。



■感想

あらすじだけ見ると面白くなりそう・・・なのに面白くない。正確には、ひとつひとつのシーンは面白い箇所もあるんです。キャストの強さかもしれませんが。ただし一本のお話しとして考えると全然面白くないんですよ。これがCM屋さんの限界なのでしょうか。中島哲也監督の作品も、一本のお話しというより小ネタの詰まった細かいシーンの積み重ねで構築されているように思うのですが、こちらは作品一本通しての面白さも充分にあるので、単に力不足なのかもしれません。ただ今作品の監督は、これが長編一作目みたいだし、いきなりこれで全否定はしないようにしましょう。貴重な邦画監督さんがすぐに消えてしまうのは惜しいですし、将来の事を考えると、たくさんの監督さんに出てきて欲しいですから。


という事で、お話しが無い以上、感想はどうしてもキャストについてになっていきます。それぞれのキャストについて思ったことを書いてみます。


浅野忠信

よくも悪くも浅野忠信。ナチュラルな演技だと絶賛する人も多いですが、こういう演技以外見た事が無いです。ボソボソっと喋る感じね。なんだかんだいいながらオーラ出てるので、浅野主演の作品って全部同じ雰囲気になりますよね。ツボにハマる人には問答無用で全肯定なのでしょう。自分も結構好きです。ただ、別のスタイルの演技も見てみたいです。蛇足ですが、キムタクは浅野忠信の影響を受けているような気がしてならないです。


橋本麗香

映る角度によって、キレイに見えたり怖く見えたり。この人全然知らなかったんですけど、公式サイト見たらとてもキレイな人でした。今作品ではセリフが無いです。それが独特の雰囲気を出す事に成功していると思いました。


小泉今日子

キョンキョン。キョンキョンはキョンキョンにしか見えない。シッシッシッとクセのある笑い方をするシーンが多いのですが、なんか浮いてます。元旦那の影響で、こういうアングラ作品と縁があるんでしょうが、やはり元々のメジャーイメージが強いせいか、なんか違和感あります。


阿部寛
メジャーだろうがマイナーだろうがアングラだろうが、何でもフィットしてしまう稀有な役者さん。今作品でもオーラ出まくりです。てかイケメン過ぎ。男でも惚れてしまいそうになるくらいカッコイイ。トリックの影響でコミカルな役柄が多いですが、ハサミ男 の時のようにキレた演技も様になるので、たくさんの作品に出て欲しいです。

岸部一徳
大好きな役者さん。自分にとって問答無用で全肯定な役者さんなので文句なんてありません。というか、この作品の真の主人公は岸辺一徳です。岸辺一徳ファンなら、この作品は是非見なくてはいけません。魂のこもった鳥っぷりに悶絶し、涙しましょう。

津田寛治

ここ何年かのマイナー系作品でよく目にする役者さん。絵がムチャクチャ上手い。森下能幸とは売れない時代からの友達らしいです。今作品では正直あまり印象には残らないです。なんとなくキレた役が似合いそうなので、良い作品に出会って欲しいです。化けそうな予感はすごいする。


森下能幸
ここ何年かのマイナー系作品でよく目にする役者さん2。この人はクセあるので印象に残りますね。大泉洋をしょぼくれさせたような風貌。しかし愛嬌あり。今流行りのゆるい系作品に必須の役者さんです。あの歯並びの悪い笑顔は癒し系です。今作品でも癒し系です。ただ、この人もキレた役が似合いそうです。そういうのも見てみたい。

JAI WEST
記憶が間違ってなければ、ドラマ版濱マイクに出てた。ラブホテルの掃除してた役で。この人何気にイケメンなんですよね。体も締まってるし。ハーフ顔なので、作品選んじゃう系かもしれないけど、こじゃれ系アングラ作品にはフィットすると思うので頑張って欲しいです。今作品ではカコイイ見せ場ありです。

荒川良々
良くも悪くも良々。相変わらずの舌っ足らず。永遠の父っちゃん坊や。今作品では舌っ足らずどころか噛んでます(笑)。あれは演技なのか素なのか・・・。もし素だと流暢に喋れる・・・とかだったりすると面白い。

Vinnie Jones

ロック、ストック大好きなので、ヴィニー・ジョーンズ見れるのは素直に嬉しい。まぁそのまんまですわ。荒川良々とのコンビは違和感無かったです。というか、今作品では殺し屋役なのに、やさしそうなイメージしかわかない。

神木隆之介
永遠の天使。のはずだったのに、この前テレビで見たらでかくなっててガッカリ。まぁ成長するのは当たり前なんですけど、あの天使の声が変声期で低くなってたのは正直ショックでした。

今作品は、天使時代の隆之介くんが満喫できます。かわゆいっ!かわゆすぎる!かわゆすぎるんだよ隆之介くんってばYO!仔犬のようなかわいさだ。あんな子供が欲しい。もちろん5歳くらいで成長止まってもらいますけどね!



■総括

この作品は映画としてはつまらない。しかしキャスト・美術・音楽は最高だ。細かいシーンに面白いところもある。映画だと思わなければ楽しめるかもしれない。

一番の見どころは、岸辺一徳の鳥っぷりと神木隆之介くんの天使っぷりだ。この2人がツボにハマるなら充分に楽しめるだろう。とくに今後成長を続ける隆之介くんの事を考えると、天使時代を記録した作品として貴重なものになるだろう。ならないか。

そうそう、浅野忠信・岸辺一徳・津田寛治・森下能幸あたりで気付く人もいるかもしれませんが、この作品バックに石井克人がいます。作品にも石井色出まくりなので、鮫肌男と桃尻女 とか好きなら合うかもしれんよー。