囲炉裏に・・・ | 郷の住人

囲炉裏に・・・

郷の住人の家は 築90年を過ぎている

当然ながら 囲炉裏があり 萱葺である

ここの郷でも 萱葺は少なくなって数えるほどしかない

若者が生活するには かなりの改装が必要なので

生活の場は 別棟に住んでいるが

古い家を守るために 今は 年寄りだけが住んでいる


元旦は挨拶回りで 忙しかったし 二日はゆっくりした

今日三日は 薮入りではないが 妹家族がやってくる

囲炉裏を囲んで 焼肉、焼き魚、焼き蟹・・・・

焼けるものは何でも焼いて食べる


今日は 薪は使わないで 岩手の切炭を使う

薪は煙の匂いがつくので みんなが嫌がるのだ

餅つきには 薪を使っている

煙で 涙を流し鼻をすすっての餅つき・・・・


ただ 萱葺に煙は欠かせないもので

すすにまみれた柱や梁は丈夫さを増す

萱を乾かし 虫を殺す殺虫剤代わり


岩手の切炭は 六キロで千円ぐらい

夏のバーベキューでは 使っている人も多いと思う

六キロあれば 八時間ぐらいはもつ

昔は 炭は高くて火鉢にぐらいしか使えなかったもの

実に安くなった ありがたい


この囲炉裏にあたりに来た人は 数知れない・・・

炎を見ながらの 宴会は 誰にも忘れられないものだ


郷の住人は 生まれた時から 囲炉裏にあたっている

やがて一世紀 私が無くすわけには

                   いかない・・・!!