前回のブログでは、福島県の子どもに甲状腺癌が異常多発していることについて書きました。

今回は、福島の原発事故の規模と、それによる放射能汚染について書いてみます。



福島の原発事故の規模についてテレビや新聞などでは、「チェルノブイリよりはマシだ」というような報道が目立ちますが、はたして本当に福島はチェルノブイリよりマシなのでしょうか。


1986年に起きたチェルノブイリ4号機の爆発事故は、1983年から稼働したばかり、つまり運転開始から3年後の最新鋭の原発の事故でした。出力は100万キロワットです。


一方、福島原発では、40年近くの長年運転し続けたプラントが4基爆発し、その出力は合計で300万キロワットです。さらに使用済燃料プールまであります。


そして、福島の事故で最も放射性物質が飛散したと考えられるのは、3月14日の3号機の爆発ですが、その映像が以下です。
 http://www.youtube.com/watch?v=0S15pZvEOFk


この3号機の爆発を、1号機と同じ「水素爆発だった」と東電は発表していますが、以下の映像(1号機と3号機の比較)を見れば、東電の発表を信じることが難しくなります。
 http://www.youtube.com/watch?v=1Q3ljfLvHww




そして、この福島原発事故による放射能汚染の実態については、日本で最も汚染された福島県大熊町の土壌調査の結果と、チェルノブイリの土壌調査の結果を比較することで見えてきます。


日本の土壌汚染の調査結果は、チェルノブイリの汚染と比較されるのを防ぐために(←おそらく)、その調査結果のほとんどが「ベクレル/キログラム」で発表されますが、2011年5月25日に大熊町が実施した土壌調査結果は、国際基準である「ベクレル/平方メートル」で発表されています。↓↓
 http://peacechildren.web.fc2.com/dl/131226ookuma.pdf


この表で最も汚染されている東平は、福島第一原発から南に3キロ程度のところにあり、セシウム134と137の合計は、5700万ベクレル/平方メートルです。


一方、チェルノブイリでは、「半径30キロメートルで148万~370万ベクレル/平方メートルが最も高いレンジだった」と発表されていますから、福島はチェルノブイリで最も汚染された地域の10倍以上も汚染されてしまったということです。


それから、文部科学省が放射性物質の降下量を測定し発表していますが、この測定結果からも、大量の放射性物質が福島をはじめ東北や関東などに降り注いだことが分かります。
環境放射能水準調査結果(月間降下量・平成23年3月)
 >http://peacechildren.web.fc2.com/dl/131226koukaryou.pdf



以下の地図は、上の調査結果の2011年3月・4月・5月・6月のセシウムの降下量を各都道府県ごとに分かりやすく表示したものです。数字だけの資料を見るより分かりやすいです。
 http://hostingserver.sakura.ne.jp/data/map3-6.pdf


(※なぜか宮城県だけが、「震災被害により測定不能」という理由から、事故後1年間も測定値が公表されませんでした。高濃度に汚染されたことを隠蔽するためだろうか…)




私たちが住む現在の日本は、3.11以前とは全く違う「別世界」になってしまいました。



<参考記事>

 ・「院長の独り言」

   放射能防護服を着ての実験農作業-大熊町から (2012.6.13)

   http://onodekita.sblo.jp/article/56450965.html


 ・「子どもを守ろう SAVE・CHILD」

   わかりやすい地図 (2011.12.29)

   http://savechild.net/archives/14364.html