1945年1月28日 | 近藤サト オフィシャルブログ「ベルベットフィール」Powered by Ameba

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フィリピンのアキノ大統領の挨拶のなかで
両陛下に『他者が下した決断の重みを背負ってこられねばならなかった・・』という言葉に心を動かされた。
今日.1945年1月28日の朝日新聞を読み返してみた。
多くの人が命を落としたマニラの市街戦の直前である。
しかし、当時の新聞が全てそうであったように戦況の危うさはどこにもない。東京や静岡上空でB29をどれだけ撃墜したかが報告される。
情報局委嘱作品でマキノ正博や溝口健二らが演出し、田中絹代、上原謙らが出演した『必勝歌』の広告がある。
下段には、『もう一度、身の周りをお調べ下さい。銀はたとへ1匁でも、この決戦に活かさねばなりません。』と軍需品の買い取りの広告。看護婦の募集も多い。
ひたすらに奮い立たせる。
戦時中の新聞はどの記事もどの広告も、どこを読んでも胸が締め付けられる。
私たちはこのすぐあとに訪れる悲惨な結末の数々を知っているからだ。

メディアに携わる人間として、主観の過去ではなく客観の過去を学ぶことを止めてはならない。私たちは過去からしか学べないということを肝に銘じたい。