生まれてこの方40年間、床屋に行く時以外、ドライヤーを使ったことがありませんでした。
むしろ床屋でも「このままでいい」と、乾かすのを拒否したことも。
昔からドライヤーを毛嫌いしていたのです。

長男も小6になって中学生間近。
少しずつ大人びてドライヤーで寝グセを直すように。
そんな息子に「もうドライヤーなんて使っとるの」と驚くと、「まとまりよくなるよ」と上から目線。
すると娘が「まだ使ってないの?」と呆れ顔。
「何年も前から言ってるのにね」と真・女神転生5の沼にどっぷりと浸かった妻が呪殺魔法ムドを無慈悲に唱える。

ドライヤーを使ったら、ただでさえクセ毛で鳥の巣みたいなのに、余計髪が痛むのでは?
まあでも、全員が言うなら一度使ってみるか。
ちなみに、クシを使うと艶も出るのだそう。

そんなバカな。
髪なんて生えたら終わりやろ、とタカを括って、クシも駆使して乾かしてみました。
すると、バサバサだった髪の通りが良くなり、艶も出たではありませんか。
恒例だった頭の爆発も抑えられ、整髪料も少なく済みセットもしやすくなりました。

日進市の床屋、メソッドの店主とは22歳からの付き合いです。
仕上げの洗髪をしてセットするとき、いちいち髪を乾かすのは時間の無駄だぜ、と思っていたのですが、乾かすとセットしやすくなるんだね!

ドライヤーを使い始めて間もないので、本当の効果がわかるのは髪がすべて生え変わった春頃でしょうか。
寒い冬を乗り越えて、面倒くさがらずに髪をちゃんと乾かし続けていたら、私の髪は、某リングができるくらい艶っツヤになっている、かもしれません。

私はそれを、希望と呼んでいます。

明るく生こまい
佐藤嘉洋

コラム【明生人嘉】40歳、ドライヤーを使い始める