【仙拓、設立14周年を迎えました】

本日4月8日、株式会社仙拓は設立14周年を迎えることができました。
ここまで歩んでこられたのは、本当にたくさんの方々に支えていただいたおかげです。

日々、大変なことも少なくありません。
けれど、会社を立ち上げたときと変わらない想いで、
今もこうして仕事に向き合えていること。

それは、決して当たり前のことではありません。

創設年数を重ねるごとに、「感謝」という気持ちが、
心の上に、しんしんと積もっていくのを感じます。

 

さて、そんな記念日の今日。

朝から体調が優れず、
午後から事務所に顔を出しました。

午後には、東京大学の先生とZoomで情報交換をする予定があり、
予定通り画面をつなぎました。

そしてそこに現れたのは――
東京大学先端科学技術研究センター 特任教授・福島智先生。



正直に言うと、実際にZoomでお話しするまでは、
その先生が福島先生であることに私は気づいていませんでした。

でも、お顔とお名前を見た瞬間、
頭の中で何かがつながり、ハッとしました。

福島先生は、障害福祉の分野で非常にご著名な方。

私自身、ご著書はまだ拝読したことはありませんが、
表紙を何度も目にした記憶が残っています。

 


福島先生は――
3歳で右目を、9歳で左目を失明。
14歳で右耳を、18歳で左耳の聴力を失われたそうです。

 



つまり、福島先生は今、
光も音もない世界で生きておられるということ。

その世界がどんなものなのか、私には想像もつきません。

 

しかし福島先生は、
全盲ろう者として世界で初めて大学の常勤講師となられた方。

それも、東京大学の教授として、
思想という分野の学問で、最前線に立ち続けておられます。

今日、そんな先生と実際にお話をする機会をいただきました。

 

通訳の方が「指点字」という方法で、
私が話すたび、私の言葉を、丁寧に福島先生へ伝えてくださいました。

福島先生は、ご自身には音が届かないにもかかわらず、
かつての聴力と発声の記憶を頼りに、
驚くほど自然で、違和感のない発声でお話をしてくださいました。

私は、ただただ圧倒されました。

 

「伝える」という行為。

「聴く」という姿勢。

そして、「通じ合おうとする」意志。


それは、音も光もない世界においても、
他者とつながることは尊いものだと実感するものです

正直に言えば、私も障害当事者として、
これまでそれなりに逆境を乗り越え、頑張ってきたという自負があります。

でも――

福島先生と画面越しに向き合った今日、
自分がこれまで経験してきた逆境なんて、
まるで塵屑のように小さく、浅く感じてしまったのです。

 


けれど、それは劣等感ではなく――
心からの尊敬と、小さくも確かな衝撃音のような感覚でした。

私にとって今日は、ただの設立記念日ではなくなりました。

「逆境を乗り越えたその先には、
さらにその先を生きている人がいる。」

そんなことを、深く思い知らされた一日となりました。

この出会いに、心から感謝しています。

そしてまた、15年目の一歩を、
スタッフ一同ともに、しっかりと踏み出します。

これからも、
株式会社仙拓をどうぞよろしくお願いいたします。

まだまだ、寝たきり社長は、
皆さんの想像を超えた規格外な挑戦を目指しますので!

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