DUCATIスクランブラーは現モデルが2015年に発売されてから名前や装備等は少々変わりはするものの、長くに渡って販売され、DUCATIの販売するバイクの3割を占めるバイクになります。


モンスター796をエンジンベースにバルブタイミングなどを調整した803cc空冷L型2気筒を搭載し、外観は1900年後半に販売していたスクランブラーにインスピレーションを得たクラシックな車両ですがスポーティな走りも可能な万能バイクです。


△初代スクランブラー


他メーカーもトライアンフやBMWなどもスクランブラーモデルを出していますが、DUCATIの中ではお手頃価格でカスタムパーツも豊富。自分好みに仕上げる事が出来き販売台数も多い事もあり、個人的にはスクランブラーというジャンルをここ最近牽引していると言っても過言ではないかと思います。

又、この動きを察知した他メーカーがスクランブラーモデルをラインナップに加え始めています。


そもそもスクランブラーというジャンルはオンロードバイクをフラットダートを走れるようにブロックタイヤとか履かせたろ!的なジャンルになります。

DUCATIスクランブラーはどちらかと言うとフラットダート走行に長けていると言うよりかはオシャレな外観でファッショナブルな印象を受けます。

走り重視でスパルタンな走りをすると思われがちですがスクランブラーは初心者にも乗りやすくとてもフレンドリーです。


そんなスクランブラーもスタンダード?モデルのiconを筆頭に様々なモデルに派生しています。多すぎてごちゃごちゃになりそうだったので後で見返せる様にまとめてみました。



SCR(スクランブラー) ICON


販売期間:2015年~

販売価格:105万円~(カラーによって価格差あり)



スタンダードモデル。カラーは赤、黄、黒の3色(正式カラー名は省略)

現行モデルはスタンダードカラーのオレンジとアイコンダークと言うモデルの2色展開になっている。


ハンドル切れ角が35°とおもったよりハンドルが切れない為(個人的感想)、Uターンなどの小回りには少し気を使わなければいけないかもしれない。


2019年に全スクランブラーシリーズの見直しがシャーシから行われ、油圧クラッチ、コーナリングABS、ウィンカーのLED化が行われると同時に初期型よりも乗り味がマイルドになった。

スポーティな走りが好みなら2015〜2018モデルかと思うが乗って比較してないので分かりません。


ベースモデルの為あんまり書きたくない。他モデルの紹介で比較していくこともあるのでこのぐらいに収めておく。





SCR アーバンエンデューロ


販売期間:2015年~2016年

販売価格:125万9000円



名前の通りアーバンは都市、エンデューロは未舗装道路のレースを意味する通り、街乗り、ちょっとした未舗装道路両方に長けています。


ヘッドライトグリル、ハイフロントフェンダー、スポークホイール(クラシックにも採用)、スキッドガードを装備し他のスクランブラーとは一線を引いている感じがする。


カラーもミリタリー感があって人気が出そうだが、不人気だったためか2016年に販売を終了しています。後続モデルとしてデザートストレッドが登場しています。





SCR クラシック


販売期間:2015年~2018年

販売価格:96万8000円



名の通りクラシカルなテイストが魅力のモデル。


スポークホイールとナンバープレートの位置がスイングアームマウントから長いリアフェンダーの先に変更されている。ビンテージ風なシートも相まって味わいのある1台となっている。





SCR カフェレーサー


販売期間:2017年~2020年

販売価格:137万5000円(2018~)
                  146万6000円(2019~)


スクランブラーをカフェレーサースタイルにした1台。
初期モデルのブラック、2018年の見直しで125GP Desmoに由来するシルバー×ブルーにカラーリングが変更された。

他のスクランブラーと違い、フロントを17インチに変更、セパレートハンドル、タイヤはディアブロロッソシリーズを履き、キャスター角を24°から21.8°とすることでSCRシリーズで最もスポーティな走りができる。

シングルシートカウル、バーエンドミラー、小さめのヘッドライト周りのカウル(フェアリング?)、ゼッケンプレート、テルミニョーニ製スリップオンサイレンサーを装着し、カスタム車ですか?!みたいな感じのバイクをDUCATIは作ってしまった。欲しい。

こちらもあまり売れ行きが好ましくなかったらしく、2020年に販売を終了。後続モデルと行っていいかは微妙だがスタイリングを継承するスクランブラーナイトシフトがラインナップに加わった。




SCR フルスロットル


販売期間:2015年~2018年

販売価格:125万9000円




アメリカで盛んなフラットトラックレースのマシーンをモチーフにした1台。アーバンエンデューロとカフェレーサーの中間的な立ち位置と言えば少し分かりやすいでしょうか。

iconより少しハンドルのグリップ位置を低くし、レーシングシート、カフェレーサー同様テルミニョーニ製のスリップオンサイレンサーを装着。フロントフェンダーもiconより短い。

2019年の見直しを機に販売を終了した。




SCR フラット・トラック・プロ


販売期間:2016年
販売価格:135万4000円


モデル的にはフルスロットルをダートトラック寄り的なイメージでアップデートした感じ。2015年にAMAプロフラットトラック選手権でトロイ・ベイリスが乗ったマシンを再現した。

フルスロットルの装備に加え、マスターシリンダーキャップ、ステップをアルミ削り出しで作成、ヘッドライト上のフェアリング、ゼッケンプレートのようなサイドカバーを装着している。全体的に質感が高いスクランブラーに仕上がっている。

数量限定モデルではないが1年間で販売が終了したため、普段見る機会はかなり少ない気がする。というか1度も走ってるのを見たことが無い。




SCR デザートストレッド


販売期間:2017年~

販売価格:139万3000円



アーバンエンデューロの後続モデル。アーバンエンデューロを砂漠やラリー寄りにした。いや、もうオフ車では?(笑)

ヘッドライトグリル、ハイフロントフェンダー、スキッドガードはアーバンエンデューロより継承。スイングアームとフレームは専用設計。タイヤには純正でスコーピオンラリーを履きオフロード性能が高くなった。

さらにオフ車感が増して個人的にはかっこよくなった気がします。




SCR ストリートクラシック


販売期間:2018年

販売価格:114万5000円



パッと見スクランブラークラシックと見分けがつかない。ホイールのリム、エンジンヘッドカバー、フォークバーをブラックアウトし落ち着いた印象になった。

クラシックとの違いはフロントフェンダーがiconの形に変わっているのと、ナンバーの位置がスイングアームマウントになった事。

個人的にはiconとクラシックの中間的な立ち位置のイメージ。クラシックの後続モデルかと思うかもしれないが実は2018年はクラシックとストリートクラシックがラインナップに加わっており、ここまでコンセプトや外観が似てるモデルを2台出した理由を考えたが分からなかった。




SCR マッハ2.0


販売期間:2018年

販売価格:128万6000円



DUCATIとローランド・サンズのコラボモデル。DUCATIが過去に販売していた単気筒のマッハ1というバイクがデザインのモチーフになっている。ポジョンはiconよりスポーティ。

専用の3色カラーにフラット・トラック・プロのシート、サイレンサーカバーは黒く塗られている。形からも分かるがおそらくiconがベースとなっている。


SCR イタリアインディペンデント


販売期間:2016年
販売価格:147万7000円

有名ブランドItalia independentとコラボした1077台限定のスクランブラー。フレーム、ホイールのブラウンのカラーリングが非常に美しく、全体をつや消しのブラックでまとめている。さすが有名ブランド。

スクランブラーカフェレーサーとスタイリングは似ています。エキゾーストパイプも黒く塗られ、全体的に綺麗にまとまったさすが有名ブランドとのコラボバイク。シートとミラーは専用設計で質感が高い。

1077台の内、国内に入ってきたのは50台程だと小耳に挟んだが新潟県で2台、長野県で2台確認している事もあり結構目撃する機会が私は多い。

実はあまり長く所有するオーナーが少ないらしく、国内にある台数自体少ないのに中古車は結構出ている。値段も通常モデルよりはお値段がするがプレミア価格みたいなのはついていない。写真で見るより実際に見ると美しさに見とれるので見る機会があったら穴が空くほど見て欲しい。
余談ではあるがイタリアインディペンデントはフィアットの創設者の孫にあたる人が創設したブランドらしい。


SCR ナイトシフト

販売期間:2021年〜

販売価格:134万9000円


名前の通りコ夜をイメージして作られた。

フルスロットルとカフェレーサーの2つを合体させた。

見た目はカフェレーサーの後続車という印象だがあくまでもカフェレーサー風に仕上げたフルスロットルと言えるのではないでしょうか。


ハンドルは他モデルには搭載されていない若干手前に来るバーハンドル、フロントは18インチを履き、キャスター角もicon同様24°となる。

シートは新設計でコーナリングABSを装備し安全性も向上した。


カフェレーサー風ってだけでカフェレーサー用に変更した細かい特徴が全て消えてしまった。個人的にカフェレーサー全般が好きなのもあり次のバイクの候補に入れていたが詳細な情報を見てナシだなとなってしまった。


DUCATIはカフェレーサーが売れなかった理由をマイルドなエンジンにセパハンが付いている事でかなり狭い層へ売り込みになったから売れなかったという考察の元でナイトシフトを作ったのでは無いかと考える。

現状カフェレーサーよりはSNSでの反応もいい気がするので顧客に求められるモデルを作ったと思う。

かなり魅力的なモデルで、人気も出ると思うが私の求める物ではなかった。





以上になります。

個人的に興味のあるモデルを長々と書いてしまいましたが少しスクランブラーについて知れたのではないでしょうか。スクランブラーの購入を検討してるけどどのモデルがいいのか分からない方に参考にして頂けたらと思いまとめてみました。現在のオーナー様にも他のスクランブラーについて知って頂けたら嬉しいです。


お願いだ。スクランブラーカフェレーサーの限定車を出してくれ!!!買うから!!!クラウディオ・ドメニカーリCEO!!!お願い!!!作って!!!