京都市の空き家活用についてお話を伺ってきました。 | 佐藤美樹(さとうみき)のサトミキ☆ブログ

京都市の空き家活用についてお話を伺ってきました。

先週7月9-10日の都市整備委員会の視察終了後、
「せっかく京都に来たのだから」ということで、京都の空き家活用について(条例制定、26年度の新たな取組)について、委員何人かでお話を伺ってきました。

京都では、空き家について
「手入れされていない家が増えることで景観を損ねる」
「空き家の増加は地域コミュニティや街の活力低下につながる」として、
空き家の適正な管理や有効活用を目的として、この4月に条例を制定しています。
※京都市空き家の活用、適正管理等に関する条例:
 http://goo.gl/ocfY6Y

 
空き家条例については、去年神戸でもお話伺いましたが、神戸のものより京都の条例でさらに1歩踏み込んだ内容となっているのが「代執行」について。
今にもカベが崩れ落ちそう、ガラスが割れそう、といった緊急事態への対応をきめる「緊急安全措置」だけでなく、「著しい管理不全」状態というのを定義してその場合に「(市長の)命令」で処置を勧められるとしている点。

京都の取組として、条例以外に、特徴的だったのが「地域での空き家活用」と「空き家物件の流通・活用」を主眼としたもの。

地域での空き家活用:
京都では、自治連合会や住民福祉協議会といった名称で自治組織があるそうですが(世田谷でいうとことのまちづくり協議会に近いイメージ)、そうした団体にむけて空き家活用を地域で取り組んでもらうことを目的とした「地域連携型空き家流通促進事業」の拡充を今年度されるとのこと。

現在、学区単位で展開されている「地域での空き家活用」について、さまざまな事例を伺いましたが、本当にその地域ごとに空き家の件数だけでなく、空き家の種類や活用目的に地域特性があり、興味深く思いました。
※春日学区の取組(住民福祉協議会による):
http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/cmsfiles/contents/0000124/124125/kasuga.pdfhttp://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/cmsfiles/contents/0000124/124125/kasuga.pdf


空き家物件の流通促進:
一般的に、町屋などの物件は空き家になっていても市場に出回らず、一方でそういった「京都らしい」物件を借りたい人は多いーーという資源の有効活用の機会を逸している点も鑑み、「賃貸・売却できるように改修や家財撤去をする場合にその費用の一部を補助します」とした助成制度。
助成金額自体は最大で90万と実際にかかる費用からしたら本当にごく一部かもしれませんが、こうした「流通促進」を行政がやろうとすることでの影響は大きいように思いました。
※京都市空き家活用・流通支援等補助金:
http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000167441.html

世田谷とは、空き家の質やこの手の取組をするための役所側の体制も異なりますが(京都では「まち再生・創造推進室」という専管組織あり)、様々な課題解決にむけて、世田谷ももう少し踏み込んで空き家活用についても進めていってもいいのでは?と思いました。