大学合格祝いに、代母さんから三冊の絵本が届いた。
(代母さんっていうのはキリスト教用語で、
堅信を受ける時にお母さんの役割を果たす人の事だ。)
私の代母さんは80歳近いのだがまだまだお元気で、
旅行鞄と共に世界中を飛び回っている。
そんな方から送られたプレゼント。なんでもご自身が好きな絵本だそうだ。
「大学祝いに絵本?とも思いましたが、やっぱりこれにしました」
そんな手紙を読んで、ああ、こういう大人になりたいものだと強く思った。
今回挙げた二冊は、そういう経緯で私のもとへ届けられた。
二冊ともいせひでこさんが書かれたもので、続き物になっている。
「ルリユールおじさん」は実在するモデルがいるそうで、
製本職人の仕事姿を通して本の普遍性について描かれているものだ。
全く世の中には大人向けの絵本もあるものだなと感心した。
もっとも元々絵本というものは、きっと大人が読んでも面白いんだろうけど。
私はこれを読んで本…だけでなく、テクストの普遍性について思いを馳せた。
書く、という事。文字を並べる、言葉を紡ぐ。
人間が人間であることの、終わらない証明。
だからこそ、平安時代の恋模様に時を超えた共感が生まれる。
知らない誰かの死に涙を流す。
そんなことを考えて、はっと気が付いた。
代母さんは、私が文章にまつわる仕事に就きたい事を知っている!
なんという素敵なプレゼントだろう。
これは、一生抱えて生きていこう。私はそう思った。
話は変わるが、私は今日井之頭公園に友人と遊びに行った。
その時スワンボートに乗ったのだが、コントロールが悪くて桜の枝に激突してしまった。
あ、折れる。そう思った。
しかし、である。桜の細い枝は、なんとボートを押し返してしなった。
繊細で華奢に見える枝が、大人の女二人が乗ったボートと拮抗するのである。
私はいたく感動した。桜の力強さを体感できた、と思う。
そんな些細な話でした。