乃木坂46の14枚目のシングル選抜が発表されました。

皆さんはこの選抜にどのような感想をお持ちでしょうか?


私は特にサプライズもないし、落胆もありません。



アイドルグループが成功していく段階として、創世期、成長期、成熟期(安定期)、衰退期というものがあるとすれば、乃木坂は昨年から成熟期に入ったのかなと感じています。その中で選ばれる選抜は、どうしても保守的になると思うからです。


2015年は新規ファンも爆発し、映画の公開、乃木坂主人公のTVドラマ、ヒストリー本の発行、念願の紅白初出場など、4年間の総決算的なイベントが目白押しでした。


CD売上でも37名で70万枚を超えるセールを記録し、AKBの公式ライバル、という、発足当初の肩書きは必要ないほどの躍進を見せました。恐らく、AKB単体との比較であれば、CDセールスも抜いてしまったのではないでしょうか。


妹グループである、欅坂46も発足しました。

坂道シリーズと名づけられた、新グループは、乃木坂と違い純粋ソニー運営としてのアドバンテージもあり、アイドル業界で2016年最も期待されているグループと言ってよいでしょう。


そんな中で乃木坂46はこれから何を目標に、どこに向かっていくのでしょうか。。。


年末のライブでは、1期生永島聖羅の卒業が、その後深川麻衣の卒業が発表されました。


乃木坂成熟期の2人の卒業は何を意味するか。

乃木坂発足以来の卒業、辞退者は13人になります。残るメンバー35名を考えると少なくない人数です。

それはグループがどこに向かうのかという前に、メンバー個人がどこに向かっていくのか、何を目指していくのかという優先順位を意味するのかも知れません。


アイドルグループに一生いる女性アイドルはほぼ存在しません(今までは)。

10代でアイドルになったメンバーも、20代を迎え、人生の進路を見つけなければなりません。乃木坂もその例外ではありません。


乃木坂では、発足当初から他のアイドルと違うところがありました。


一つは、CDのおまけに付いてくる、個人PVを充実させていきたことです。

これは、来るべき個人仕事活動を後押しするには、非常に良い機会を与えられたと思います。

PVでは、演技もあり、ビジュアルも、時にモデルのようなものを求められてきました。


2012年から始まったプリンシパルというオーディション型お芝居では、あたかも来るべき女優活動を後押しするかのような取り組みをしてきました。


実際乃木坂では、多くの雑誌モデルを輩出し、女優活動に目覚め、活躍するメンバーが増えてきました。


しかし、こういう個人活動ができているメンバーはひと握りです。

AKB48グループを筆頭とする大人数アイドルグループのジレンマは、実はメンバー全員に平等に機会が与えられてはいないということです。

選抜常連組と、非選抜常連組では、大きな差があるのは事実です。


AKB総選挙はそう言う、ある種の不平等さを解消するために、ファンが選ぶ選抜を作るというコンセプトから始まったはずです。しかし、総選挙もある種のバブル人気の中で、拝金手段に使われてしまい、本来の純粋なファンの気持ちは投影できないイベントになりました。


乃木坂のプリンシパルも3回目の公演では、「予定調和」が生まれてしまい、昨年度は行われず、その役割を終えた感がありました。その中で、「じょしらく」や「全ての犬は~」のようなより高度で十分な準備を行うお芝居へと進化していったのかなと思います。


その中でよりお芝居に目覚め専門的にやっていきたいと思うメンバーが出てくるのは、自然なことだと思います。しかし、それすらできない、やらせてもらえないメンバーもいることも事実です。

AKB48グループでも、2年程前からは大量の卒業者で出ています。

グループにいても、個人活動ができない、むしろ制限されるために早期に方向転換をするメンバーが増えてきた流れだと思います。


「努力は必ず報われる」という言葉があります。

あるAKBの主要メンバーはこれを否定しました。

それは、現実とはかけ離れているからでしょう。



乃木坂も握手会中心の活動の中で、年齢を重ねてきたメンバーの中には将来への不安や、自分自身の芸能スキルへの疑問を感じる人も多いのではないでしょうか。




紅白の後、乃木坂が目指すものは何でしょうか?



高山一実は言いました。歌番組で2曲やれるグループになりたいと。

目先の目標としては、それも良いでしょう。


私のある種答えは、以前も提言したように、ある種のモデルは、ジャニーズのようなアイドル・タレントグループではないかと思っています。


つまり、グループの中には個人で活動するものがいたり、グループにいても個人活動活発に行えるマルチタレント集団です。その先に見えて来るものは、アイドルを卒業しても活躍できる受け皿を作ることではないかと思います。



お芝居とライブ(レビュー)という観点では、100年続いている、宝塚がモデルになるかもしれません。

AKBも恐らく一部を参考にして、公演スタイルを作り上げてきたのではないかと推察します。乃木坂であれば、例えば、第2回プリンシパルで行ったお芝居をひとつの公演のような形にして、継続的に活動し、その中でライブも行っていく。正に宝塚の2部制の形は参考になるではないかと思います。



女性アイドルグループの今までの常識を覆し、ジャニーズ事務所のようなマルチタレントを養成できる機能を持つこと。そして、自分の推しメンバーを長期間に渡って応援できること。メンバー、ファン、運営が実質的なWIN-WINの関係の将来への青写真を作れることが、これから乃木坂が、46グループが目指すひとつの理想の形ではないかと考えています。



メンバーも歳を重ねていくと同時に、ファンも歳を重ねます。


アイドルを長期間に渡って応援していきたいと思う気持ちは、女性も男性も変わらないはずです。


大きな理想とビジョンを掲げて、新しい道を目指し進むことができれば、乃木坂の未来や次の目標が少し見えてくるような。



そんな気がするのは、私だけでしょうか。。。



追伸

欅のデビューが4月6日に決まりましたね。
46グループの中心はやはり欅にシフトするのかな…