乃木坂46年末のライブイベント、アンダーメンバーによる単独公演「乃木坂46 アンダーライブ at 日本武道館」が12月17、18日に、12月20、21日に「乃木坂46 Merry X'mas Show 2015」日本武道館にて開催されました。

 

2015年はまさに乃木坂の年と言ってもよい快進撃を見せた年になりました。

その裏には、相対的にコンテンツとして飽きられてきた48グループの衰退があったのではないかと思います。

 

乃木坂はAKBの公式ライバルとして2011年にスタートし、今年で4年を迎えました。スタート当初から、ソニーとAKS運営(AKBの運営でもある)の並々ならぬプロモーションと、メディア戦略が準備されました。デビュー前から「乃木坂ってどこ?」という冠番組を持ち、デビュー曲「ぐるぐるカーテン」には、明治チョコレートのバレンタイン企画のタイアップが付くなど、新人アイドルグループしとしては、破格の待遇で始まりました。この曲のお披露目も、公式ライバルであるAKBの「リクエストアワーベスト100」という人気イベントの冒頭で行われました。

 

2枚目のシングルでは、指原さんとの同日発売による売り上げ競争などがあり常にライバルグループを巧みに利用し、ファンを刺激し、時には炎上させながら話題づくりを行ってきました。

 

4年を迎えた今年は、その刈り取りのシーズンがやってきたなという印象です。

 

年初から、アルバム発売、西武ドームでの7時間半のバースデーライブ、映画「悲しみの忘れ方」の公開などが続き、新規ファンもこの一年で爆発的に増えました。

 

これは恐らく48、46グループの中でも、方針がぶれずにイメージを大切にしてきたこと。良曲を積み重ねて、ファンの心を掴んでいったこと。そして何より、業界でNO1の顔レベルといわれている美人、美少女を揃えていることが要因であると思います。ソニーという大看板でのオーディションがなせる業であるなと思います。その影響はアイドル業界全体に波及し、地下アイドルを含めて、乃木坂の顔レベルは、ひとつのベンチマークになっていると思います。

現在雑誌モデル7名がいるアイドルグループは異色であると思います。

 

さて、いつものように前置きが長くなりましたが、今回私は、武道館のアンダーライブ2日間、そしてクリスマスライブ2日目千秋楽に行きましたので、私らしい視点からレポをしたいと思います。


まずは、この武道館4日間のライブはなぜ行われたのか?

 
乃木坂のアンダーとは、つまり選抜に選ばれていないメンバーのライブのことです。多少の入れ替わりはあるものの、10福神と呼ばれている、1列目、2列目がほぼ固定されてしまった感のある乃木坂では、このアンダーライブは非選抜メンバーのライブ機会としては重要な存在になってきました。


思い返せば、乃木坂自体、当初はライブアイドルとは程遠い、握手会アイドルと揶揄されてきた時代です。

 

TV番組の露出も選抜が中心であり、当然握手会での人気も選抜、非選抜ではかなりの開きがあった期間が長く続きました。

 

恐らく想像するに、初期のアンダーメンバーは専用劇場も持たず、ライブに向けてのレッスンもない時期が続き、時間を持て余していたはずです。

 

しかし、乃木坂のCD製作には、ひとつの方針というか、特徴がありました。

カップリング曲、アンダー曲に非常に良曲が多かったのです。

そして、それは、CD発売の全国握手会でのミニライブか、毎年行われる、バースデーライブの全曲披露以外ではほとんど聴くことはできない曲でした。

 
CDの通常版(CDショップの販売分)には、メンバー全員のイメージビデオは収録されていました。

 
2期生を迎えた頃から、アンダーメンバーの処遇というか、活動にはファンもやきもきしてきたことは事実です。「飼い殺しだ」「選抜はいつも同じだ」という不満は数多くあったと思いますし、今でもそれは確実に存在している、ファンのジレンマだと思います。

 そんな中で試験的にクレジットカードのオマケとして、アンダーライブは握手会後に初めて行われました。ファンは約800人だったと言われています。


2nd.3rd.4thと重ねてきて、ライブアイドルとしてのアンダーライブは一つのコンテンツになりました。私も2ndシーズンから観てきましたが、とてもライブ感のある、楽しく、充実したライブシーズンになっていったという印象です。

 

2014年の3rdシーズンでは、ブルーシアターでのノンストップライブが大きな話題になり、チケット入手は困難になっていました。ファイナルは、有明コロシアム8000人を集め、堂々のライブをこなしたのは、いまでは伝説になりました。この頃からアンダーメンバー、2期生にも多くのファンが付いて、握手会の人気もどんどん上がっていったと思います。

 

2014年はアンダーライブの後に、同じ箱の有明でクリスマスライブが行われました。その時にもアンダーライブは、正直言うと、クリスマスライブをいろんな意味で超えていたと確信します。

 

そして今年2015年は、AiiAシアターでのアンダーライブ4thシーズンのファイナルとして、武道館で2日間計約16000人を集めて行われました。チケットの販売が懸念されましたが、会場はほぼ満員でした。

 

今回のAiiAシアターの4thシーズンを1回観ましたが、正直言えば去年のノンストップライブは超えられていない印象でした。理由は恐らく、アンダー曲にこだわり過ぎてしまい、セットリストのバランスが悪かったのではないかと思います。やはりアンダー曲は表題曲に比べるとやや地味であったり、バラード系が多かったりするのです。

 

12月17日、18日運命の武道館2日間ライブが行われました。武道館でライブを行うことは、アンダーメンバーの悲願(斎藤飛鳥が目標として言ったことも有名)でもあり、一つのゴールでもあったからです。

 

今回の印象は。。。

 

4年間乃木坂のライブはかなり観てきたつもりですが、今回のライブ2日間はその全ての中でもトップ3に入る出来ではなかったかと思います。

 

ノンストップライブの再現、伝説の全員センター企画の再現など、今までのいいとこどりをしっかりしながらも、アンダー曲のみななず、選抜曲、表題曲も混ぜてバランスのよいセットリストが光りました。

 

パフォーマンスでは、明らかに1日目より、2日目の気合が違っているのが、わかりました。

 

ダンスのシンクロ性や、ボーカルの緩急、煽りなど全てに渡って今までのベストライブではなかったかと思います。

 

それにはもう一つの大きな理由があります。。。

 

1日目の終盤で発表された、永島聖羅の卒業です。

 

1期生として、飛び切りの笑顔と元気でグループのムードメーカーであった彼女の卒業は会場の雰囲気を一変させました。

 
それは暗いものではなく、感謝の意味のものだったと思います。

 

なんとも言えない雰囲気の中で、誰が言うのでもなく、永島メンバーカラーの黄色のサイリュウムで会場は埋め尽くされました。

 





2日目はそれを受けての気合の入ったライブを観ることができました。

それは正に、誰よりもこのアンダーライブに思い入れをもっていた、永島聖羅への感謝のライブメッセージになったのではないでしょうか。

 

将来は女優を目指すと言っている、永島聖羅。

今年は、お芝居「じょしらく」「すべての犬は天国に行く」に選ばれなかったことは、どれだけ悔しかったことでしょう。

 

アンダーの、いや乃木坂の隠れた精神的支柱の卒業はこれからいろんな意味で、ボディーブローとして効いてくるかもしれません。

 

来年にはアンダーライブは全国ツアーを実施することに決まったようです。

 

今の乃木坂の人気と、知名度のなかで、地方におけるアンダーメンバーの人気が強いものになれば非常に強固な基盤ができるはすです。

 

この12月27日に行われる名古屋個別握手会では、全レーン完売という快挙を成し遂げまた。AKB48グループでも聞いたことのない現象です。

 

来年の乃木坂も、成長の鍵はアンダーメンバー、2期生です。

 
課題は全編全曲生歌でやって欲しいですね。ライブアイドルの宿命として。

今回のライブをベンチマークにして、コンスタントにファンを魅了できるライブを期待しています。

 

乃木坂ライブアイドルは、アンダーメンバーですから!


以下アンダーライブのセットリストです:

 


乃木坂46「乃木坂46 アンダーライブ at 日本武道館」
2015年12月17日 日本武道館 セットリスト

01. 嫉妬の権利
02. 自由の彼方
03. 13日の金曜日
04. ダンケシェーン
・DANCEパート
05. 狼に口笛を
06. 生まれたままで
07. 指望遠鏡
08. 他の星から
09. 孤独兄弟
10. サイコキネシスの可能性
11. ハウス!
12. 命は美しい
13. 太陽ノック(センター:斉藤優里)
14. 君は僕と会わない方がよかったのかな(センター:和田まあや)
15. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた(センター:永島聖羅)
16. 会いたかったかもしれない(センター:新内眞衣)
17. 私のために 誰かのために(センター:堀未央奈)
18. 水玉模様(センター:北野日奈子)
19. ロマンティックいか焼き(センター:渡辺みり愛)
20. 転がった鐘を鳴らせ!(センター:相楽伊織)
21. 制服のマネキン(センター:能條愛未)
22. 僕がいる場所(センター:伊藤かりん)
23. 涙がまだ悲しみだった頃(センター:伊藤純奈)
24. ぐるぐるカーテン
25. 走れ!Bicycle
26. バレッタ
27. 左胸の勇気
<アンコール>
28. 今、話したい誰かがいる
29. シャキイズム
30. 月の大きさ
31. 君の名は希望
32. 悲しみの忘れ方

乃木坂46「乃木坂46 アンダーライブ at 日本武道館」
2015年12月18日 日本武道館 セットリスト

01. 嫉妬の権利
02. 自由の彼方
03. 13日の金曜日
04. ダンケシェーン
・DANCEパート
05. 狼に口笛を
06. 生まれたままで
07. 指望遠鏡
08. でこぴん
09. 無表情
10. サイコキネシスの可能性
11. ハウス!
12. 命は美しい
13. おいでシャンプー(センター:斎藤ちはる)
14. 別れ際、もっと好きになる(センター:鈴木絢音)
15. 僕が行かなきゃ誰が行くんだ?(センター:樋口日奈)
16. ロマンスのスタート(センター:川後陽菜)
17. 立ち直り中(センター:寺田蘭世)
18. 何もできずにそばにいる(センター:山崎怜奈)
19. そんなバカな…(センター:川村真洋)
20. 世界で一番 孤独なLover(センター:佐々木琴子)
21. 春のメロディー(センター:中元日芽香)
22. 何度目の青空か?(センター:中田花奈)
23. ぐるぐるカーテン
24. 走れ!Bicycle
25. バレッタ
26. 君の名は希望
<アンコール>
27.ここにいる理由
28. あの日、僕は咄嗟に嘘をついた
29. 扇風機
30. 初恋の人を今でも
31. ガールズルール
32. 左胸の勇気
33. 乃木坂の詩
<ダブルアンコール>
34. ハウス

 


(2015年クリスマスライブにつづく。。。)