1月7日に乃木坂46の初アルバムである、「透明な色」が発売になりました。

2012年2月22日にデビュー以来3年間の集大成とも呼べるアルバムはファンが作ったアルバムでもあります。
それは、Disc2に入っている、カップリング曲10曲はファンの投票によって決まったからです。

そんな初アルバムを改めて聴き込んだ感想は。。。


ファンであることを差し引いてもこのアルバムはアイドルアルバムとしての名盤と呼んでよいと思います。

その理由は。。。

乃木坂がデビュー以来積み上げてきた、楽曲に対するこだわりと、音作りのクオリティの高さに尽きるのではないでしょうか。

AKBの公式ライバルという触れ込みで始まった乃木坂ですが、かつてのアイドル帝国を築いてきたソニーと秋元氏の思い入れは並々ならぬものがありました。
単にアイドルを売るだけの曲であればここまでこだわる必要はないのです。
恐らく、AKBをいつか超えるために、それに相応しい楽曲を製作し続けることがコンセンサスとしてあるのではないかと想像します。

最近知ったのですが、8曲目のシングル「気づいたら片想い」のミックスダウンは、ソニーの名手酒井氏が担当しています。
これだけでも音に対する思い入れを感じることができるのです。

とにかくまずは音の良さを感じてください。
これは、単にヘッドホンで聴いていると感じませんが、大きなスピーカーで聴くと非常に奥深い音のつくり方と、使われている音のクオリティに驚きます。
マニアックかもしれませんが、特にストリングスの音の良さと、拡がりはとてもアイドルの曲とは思えません。

そして、楽曲の良さですね。
恐らく選曲や曲のコンセプト出しの段階でかなりの準備とコンセプト作りが行われていると思います。
誤解を恐れずに言えば、AKBの曲のクオリティを超えていると確信しています。
秋元氏が歌詞を書くまでの製作プロセスが違うのではないかと想像しています。

そして私のような世代が乃木坂を聴いて感じることがあります。
それは、70~80年代に流行していた、良質の洋楽です。
まだ、レコードが高価だった頃、主にラジオで聴いていました。
ポップスベスト10という類のラジオ番組が数多く存在していました。

そこで聴いていた、アメリカンポップス、ブリティッシュポップス、フレンチポップスは乃木坂の楽曲のベースになっています。
カーペンターズ、ミッシェルポルナレフ、エルトンジョン、ギルバートオサリバン、ドーン、クイーンなどなど、良質なシンガーソングライターが活躍していました。
秋元氏や恐らくソニーの製作陣もまさにその世代であり、そのメロディーの虜になっていたに違いありません。
そして、彼らの楽曲へのオマージュは乃木坂の曲に度々登場しています。
「おいでシャンプー」の間奏で使われているのは、フレンチポップスの名曲シルビイバルタンの「アイドルを探せ」のフレーズですね。

今回のアルバムはA盤、B盤が2枚組になっています。
A盤には、シングル表題曲10曲が時系列に並べられ、4曲のアルバム曲が追加されています。
B盤には、数多くのカップリング曲からファンが投票で選んだ上位10曲が順位順に並んでいて、やはり4曲がアルバム曲として追加されています。
そして、カップリング曲の上位30曲は、昨年末のクリスマスライブの3回の公演で発表されました。

乃木坂の楽曲のもうひとつの特徴は、カップリング曲、アンダー曲と呼ばれる非選抜が歌う為の曲の素晴らしさです。
ここには、表題にしても全く遜色ない曲が数多く存在しています。
今回アルバムに漏れた曲にも名曲が沢山あるので、とても残念です。

それでは、まずA,B盤Disk1から個別曲の感想を書いていきます。(長くなるので、ご了解ください、登場するメンバーの敬称は略しますのであしからず!)

1 OVERTURE 
このOvertureを始めて聞いたのは恐らく2012年の初めての全国握手会である、読売ランドではなかったかと思います。
乃木坂が初めてファンの前でライブをやった日。
忘れることはできません。
その時に聴いたOvertureは意外にカッコイイなと思いましたし、事実今もこの曲を聴くとワクワクする気持ちが高まります。
音源として初めてCDに入れられたことは、ファンにとってなにより嬉しいことですね。

2 ぐるぐるカーテン
乃木坂初めてのシングル曲。
お披露目は残念ながら、乃木坂ファンの前ではなく、AKB48リクエストアワーの前座的な登場でした。
生駒が高まって泣いてしまったお披露目。
そして今もこの曲を聴くと涙が出そうになるのはなぜでしょうか。。。
アイドル曲としては、レトロでスローテンポ。
スカート丈も長いアイドル。
恐らく若い人には新鮮に、私世代には懐かしさと青春時代の甘酸っぱさを感じさせるからですね・
スネア連打の間奏が始まると今もドキドキできる名曲だと思います。

3 おいでシャンプー
シングル2曲目は、1曲めの延長戦上にあるとも言える、フレンチポップスとモータウンサウンドのオマージュを感じる曲です。
衣装もロングドレスに水玉模様のレトロなものでした。
そして、当初のスカートをまくり上げる振り付けは物議を呼び、変更されました。
恐らく、フレンチカンカンで行われる振り付けをイメージしていたのでしょう。
清楚なアイドル路線の乃木坂にはやや刺激の強すぎるものでした。
お披露目の日本テレビ「PON」に出演した際に、リハーサルの場で振り付け師が変更して練習をしていたのが印象に残っています。
そして、通称イモムシダンスとも、おいシャントレインとも呼ばれる振り付けが印象的です。
初期乃木坂の代表曲として度々ライブでも歌われる曲ですね。

4 走れバイシクル
3曲目シングルは、初めてのアップテンポなアイドルチューン炸裂の曲でした。
衣装もかつてのピンクレディを彷彿させるような、キラキラなものでした。
赤坂TBSでのお披露目ライブでは、当時の元気の良いファンと沸き倒したことが思い出です。
いわゆる撃ち曲としては、乃木坂初ですし、コールやMIXも考えられた曲でした。
メロディは、アップテンポながら、やはりレトロはメロディラインは健在です。
恐らくモータウンサウンドあたりが参考にされている曲ではないかと思います。
今でもこの曲が始まるとウキウキするのは、曲の持っているドライブ感の素晴らしさだと思います。

5 制服のマネキン
この曲を始めて聴いたのは、横浜アリーナの対バンイベントだったかなと思います。
始めて聴いた印象は。。。
ギヤを入れ替えて勝負に来ているなということでした。
これだけ早いテンポの曲で激しい振り付け。
いままでの乃木坂のイメージをぶち壊していくような衝撃でした。
そして、制服のマネキンという歌詞に込められた、メッセージ。
いろんな解釈はあると思いますが、私は秋元氏の乃木坂への喝ではなかったかなと思います。
つまり、マネキンのように見た目は良いけど、中身はどうなの?と問いかけられたメッセージ曲であると思いました。
生駒センターでのダンスのキレはAKBでも高い評価をされているようです。

6 君の名は希望
誤解を恐れずに言えば、ここ数年の全てのアイドルソングの中でも屈指の名曲ですね。
単なるバラードソングではなく、歌詞とメロディの持つ力強さに圧倒されました。
AKB紅白でまゆゆが生田のピアノで披露した時には、審査員の松坂慶子さんが泣いたという隠れストーリーがあります。
普遍性の高いメッセージは誰の胸にも響いてくると思います。
いろんなアレンジで聴いてもその素晴らしさは変わらないですね。
アイドルがこういう曲を歌えることは、別の意味でラッキーだと思いますし、乃木坂に長くのこる名曲中の名曲になると思います。

7 ガールズルール
乃木坂ではガルル以降、それ以前のようなことを言われています。
つまり、ここから乃木坂は爆発的に新規ファンを獲得していくことになった曲です。
センターが白石に交代したこともターニングポイントになりました。
夏チューン全開のポップなナンバーですが、これも最近のアイドルサマーソングの名曲だと思います。
PVの印象も強烈に残っています。
この頃から、白石は絶対エースの座を不動にしたように思います。
今もこの曲を聴くとウキウキワクワクできるのは、やはりメロディーの持っている力ですね。
振り付けも珍しくアイドル全開ですので、乃木坂としては貴重な曲ですね!w

8 バレッタ
さて、問題のシングルですね。w
というか、ここで乃木坂は更なる挑戦に出ました。
まずはマイナーチューンのレトロなメロディですね。
これはもう昭和歌謡の王道路線ですね。
若い人にはどう映っているのかが、非常に気になります。
そして、なんと言っても2期生堀未央奈のセンター起用ですね。
AKBで言えば、大声ダイヤモンドの、松井珠理奈といったところでしょうか。
ここで、2期生を起用したことは、様々な思惑と予定調和をしない運営からメンバー、ファンへの一撃でした。
アイドルを長く運営して行くために、必ずこういうタイミングがあります。
堀はそれに耐えうる器をもったアイドルであることも証明されました。
切ないメロディと怪しげな歌詞は、いままでの乃木坂にはない大人の世界を感じさせました。
武道館の3バレは今やレジェンドとして語り継がれていますねwww

9 気づいたら片想い
さて、次なるセンターは西野に交代しました。
3年前の彼女を知る人は、まさか、センターをやるときがくるとは想像もできなかったでしょう。
この3年で最も伸びてきたのが西野であり、私も握手でそれを感じることがありました。
腹を決めて、アイドルを演じきる強さを身につけたのでしょうか。
この曲もカラオケで歌うとわかりますが、非常に難しい曲です。
細かく繊細なメロディラインに、変化の多い歌詞が載っています。
この曲を歌いきった西野は更に高いところに来たような気がします。
やはり、ポジションは人材を育てるし、それに見合う覚悟と努力で応えたのが今の彼女ですね。
高校生がカラオケで良く歌う曲だと聞きまhした。
恐らく、アイドルソングというよりも、良質なJPOPを歌っているような気分になるのだろうなと想像します。
歌詞のな内容も、感情移入できる恋愛の世界なのではないでしょうか。」
それくらい、曲のクオリティも高いし、先に書いたように、MIXダウンもソニーのエースが行っていることに大注目です。

10 夏のFree&Easy
西野センター2曲目は前年のガールズルールに続いて、夏のアイドルソングの王道ですね。
やや、AKBグループの匂いがしますが、この年のサマーソングでは、一番キラキラしていたと思います。
渋谷のスクランブル交差点で度々この曲を聴いては過去に私にもあったであろう、甘酸っぱいひと夏の思い出がよぎりました。ww
そういえば、この曲は渋谷周辺でロケを数多く行っており、ロケ地周りも流行しました。
PVの舞台のお店はヲタクにとって渋谷センター街のランドマークになりましたね。
西野は貫禄すら感じる堂々としたセンターでした。
この夏に一番成長し、多くのファンを増やしたのではないでしょうか。

11 何度目の青空か?
記念すべき10枚目のシングルは満を持して生田センターです。
彼女のポテンシャルとスキルは乃木坂ファンならば誰でも知っているはずですね。
アイドル業界の中でも、将来性と既に持っているハートはピカイチですね。
そして、この曲は生田のために書き下ろされたと言っても過言ではないのでしょう。
出だしのフレーズは、とても難しいキーから入ります。
それをしっかりと一人でこなせることが凄いし、この曲のもっている世界観を見事に表現していますね。
初めてこの曲を聴いた時に、本当に驚いたし、アイドル楽曲としては名曲中の名曲と言ってよいのではないでしょうか。
青春を見逃すな。。。
この臭いけど、普遍的なメッセージをしっかりとしたメロディで伝えていますね。
何度聴いても飽きない構成と、圧倒的な音質にただただ驚いています。

12 誰かは味方
カップリング曲にこういうクオリティを持ってこれることが乃木坂の凄さですね。
アルバムの中でも大好きな曲になりました。
衛藤、桜井、若月。
伸び盛りの中堅メンバー3人で透明感のある声を聴かせてくれています。
誰かは味方。。。
意味深なこのメッセージは、アイドル的にはどう捉えているのでしょうか。
素敵な曲に出会えました!

13 革命の馬
これはもうアニメソング的な世界感が素晴らしいですね。
映画の戦場の馬、を思い出しました。
AKBのかつてのチームKの公演曲にありそうな、とても勇ましくて励まされるメロディですね。
生きることは闘だ。生きることは行動だ。
秋元マジックの深いメッセージが心にしみますね。
今すぐCMかアニソンで使って欲しいです。

14 僕がいる場所
アルバムの宣伝で使われていますね。
ズバリシングルの表題レベルの良曲ですね!
乃木坂への貢献度の高い杉山さんの名曲がまた一つ増えました。
僕がいる場所、とは、乃木坂のいる場所に違いありません。
歌詞の中で扱われている悲しくも切ないストーリーも素敵なメロディがカバーしているような。
この曲もとても深いメッセージを感じさせるのは、やはり乃木坂が歌うからでしょうか。。。

15 あなたのために弾きたい
Desk 1の最後は生田のソロ曲です。
ピアノの名手生田の為に書き下ろされた、生田のストーリーですね。
とにかくピアノの音の素晴らしさに驚きました。
ソニーのデジタル録音技術を見せつけられたような気がします。
3拍子のメロディはなれないと、とっつきは良くないのですが、何回か聴くと頭をぐるぐるするようです。
昨年生田の出演したミュージカルでも出てきそうな、とても私的なストーリーとアップダウンのあるメロディが素晴らしいと思います。


それでは、Disk 2に続きます!