今回のこのシリーズのその③として、AKB紅白を観た(映画館)感想と乃木坂の今後のAKBグループとの関わりについて書いてみたいと思います。
このブログでは何度も書いていますが。。。
AKBと乃木坂との関係を考えるとソニーがデフスターレコードというレーベルでAKBのCDを発売していたことを抜きには語れません。
AKBは「桜の花びらたち」と「スカートひらり」、をインディーズレーベルで発売したあと、2006年10月にデフスターから「会いたかった」をメジャーレーベルで発売し、「桜の花びらたち2008」まで8枚のシングルを出しました。
そして、2008年10月にはキングレコードに移籍し、「大声ダイヤモンド」を発売しました。
AKBは良くファンの間から、大声前後でひとつの大きな流れが変わったと言われています。 センターには12歳の松井珠理奈を抜擢したことも話題になりました。
そして、2009年の「River」で念願のオリコン1位を獲得してから、皆さんがご存知のようなAKB旋風が始まった訳です。
2005年の「電車男」で始まった秋葉ヲタクブームでしたが、その後AKBが本当にブレークするまでは、約5年の期間がかかりました。
そして、キングに移籍後は、AKB商法と揶揄された握手会商法を徹底的に実施し、売上をどんどん伸ばしていきました。
一説によると、ソニーは当時このオマケ商売である、AKB握手会商法に抵抗を示したとも言われています。商取法での微妙な判断も理由であったとも言われています。老舗レコード会社のプライドがあったのではないかとも推察します。
その後はミリオンを連発し、AKBは過去の女性アイドルの記録を全て打ち破る快進撃になったわけです。
そして、運命の2011年ソニーは再度秋元氏とアイドルグループを立ち上げます。 それが、乃木坂46でした。
2011年に行われたお見立て会では、異例のソニーレコード社長のメッセージがファンに伝えられました。
ソニーの社運を賭けたプロジェクトであり、失敗の許されない収入源確保への強い意気込みを感じました。4万人のソニーでも過去最大のオーディションが行われたことも紹介されました。
秋元氏は、「AKBのやった5年間を5ヶ月で行う」「毎日が総選挙」という並々ならぬ意気込みを示しました。
私はSDNというAKBの姉妹グループのようなことにならないかと非常に心配したことを昨日のように覚えています。
そして、乃木坂は普通のアイドルグループとは、というか、AKBとはまるで逆行した方法でプロモーションが始まりました。
一番の驚きはまだデビューしていないアイドルグループが冠番組「乃木坂ってどこ」を持ったことかもしれません。
AKBは当初地下アイドルとして、敢えてマスコミ露出を避けて、地道にファンを獲得することを選択したことから考えても売り方は全く違っていました。
それは、もちろん売上を最短で上げること、AKBの公式ライバルとして、早く追いつくことを宿命付けられたグループの強引とも言えるマーケティングであったのだと思います。
2012年2月の「ぐるぐるカーテン」での本格デビューのお披露目は、ライバルの聖地「AKB48リクエストアワー」で行われました。
しかしこれは、ファンに対して、メンバーに対しての単なる挨拶がわりだったのです。
あれから3年、乃木坂の最新シングル「何度目の青空か?」は57万枚のセールスを上げるグループになりました。
これは、秋元傘下のAKBグループでも2位になりますが、実質選抜が各グループから集められ、握手会も合同で行っているAKBでは、単体でどれくらいのセールスがあるかはわかりません。
恐らく60~70万枚というのがリアルなAKB単体のセールスではないかと言われています。
そう考えると、42名の乃木坂が57万枚のセールスを上げていることは、驚異的なことであり、正に売上でも公式ライバルとして肩を並べるまでに成長したと言っても良いと思います。
乃木坂の成功は単に顔レベルの高いメンバーを集めただけの理由ではなく、秋元氏がこの3年提供してきた楽曲の素晴らしさが後押しをしていることは、あまり世間では知られていないかもしれません。
2015年1月7日に発売する、初のアルバムでそのことを再確認することになるのではないかと思います。
恐らくAKBグループのどこにも負けない、いや、アイドル業界でも突出したレベルの楽曲が提供され続けています。
それは、もちろん来るべき時。
つまり、乃木坂がAKBの公式ライバルとして本当に活躍する時に備えきたからでしょう。
いつもの通り、相当に前置きが長くなりましたが、今回のAKB紅白を観て、ある思いがよぎりました。
あのぐるぐるカーテンお披露目から、どれだけのファンが乃木坂を通りすぎたのかな。。。
奇しくも私は、当時映画館でリクエストアワーで乃木坂のデビュー曲を目撃しました。
あれから、3年。 乃木坂のファンで3年間推し続けているのは、恐らく1割にも満たないと思います。
これは、特に乃木坂に限ったことではなく、アイドル業界全般がこういう傾向にあるのです。
今の乃木坂は恐らく6枚目の「ガールズルール」以降、いや、あるいは、8枚目の「気づいたら片思い」以降のファンが支えているのではないかと思います。
アイドル業界で最も大切なこと。 それは既存のファンを守ることもさることながら、新規ファンを常に参入させるような仕掛けや、雰囲気があるかということだと思っています。
乃木坂は今、AKBで言えば大声以降の爆発期にさしかかっています。
ライブの動員は3万人のスタジアムを完売させる力を持っています。
それは、正に新規参入パワーが支えているのだと思います。
AKBのように既に成功したグループにはない、参入しやすさと、楽曲の良さ、そしてなにより業界トップレベルの顔レベルが新規ファンを増幅させています。
最近では白石、西野を筆頭に女性ファッション雑誌で取り上げられることも多く、女性ファンが急激に増えていることも見逃せない要素です。
2015年はAKB10周年になる年です。
乃木坂はこの記念すべき年にどうAKBと関わるべきなのでしょうか。。。
もちろん答えはありません。
未だにAKBに対して嫌悪感を持っているファンも多く、それを理由に現場を離れていくこともあります。
2014年は、生駒、松井の交換留学という名の兼任がありました。 相当な逆風の中でしたが、結果として、今この兼任は成功しているのではないかと思います。
そして、2015年には乃木坂、AKB各グループがドキュメンタリー映画を公開します。
秋元氏が10年間やって来たこと。
それは、簡単に言えば少女たちのリアルストーリーをそのまま見せること、だけなのかも知れません。
我々はその予定調和のないさまざまな葛藤や挫折、そして達成感などを見ているお客であり、時に総選挙や様々な投票により参加もできる。
AKBや乃木坂がひとつの小説ストーリーであるならば、それは波乱に満ちたものであればあるほど読み手のファンは面白いはずです。
2015年のAKBと乃木坂。 間違いなくさらに関わりを深めていくのだと思います。
それに対する批判があってもそれを折込み済の波瀾万丈ストーリーは、大ヒットしている漫画のように当分終わることはありません。
変わっていくアイドル業界の主人公が常にこのストーリーから発信されてさえいれば良いからです。
そして、気持ちが変わっていくファンがいても、それを超える新規参入者を常に獲得できる状況さえあれば良いのかもしれません。
なぜならば、このストーリーは見るものを熱い気持ちにさせ、時に怒り、時に泣ける。
私たちの生活そのものだからです。。。