浮気・信頼崩壊からの回復
夜中の2時に、スマホの画面を見てしまった。
メッセージが来ていた。知らない名前だった。内容を見てしまった。
その日から、食事がのどを通らなくなった。一緒に座っている夫の横顔が、見知らぬ人のように感じた。
「許すべきか」「別れるべきか」「子どものことを考えると」「でも、このまま続けることができるのか」——頭の中がぐるぐるして、寝れない日が続いた。
こういう状況にいる人に、一つだけ伝えたいことがある。
今の状態で「正解の判断」を出そうとすることが、かえって答えを遠ざけているかもしれない、ということだ。
アカネさん(仮名・40代前半・子ども1人・会社員)は、夫の浮気を知ってから半年間、毎日判断を迫られているような気持ちで過ごしていた。
夫は謝った。「もう終わった」と言った。アカネさん自身も、子どものことを考えると簡単に決められなかった。
怒りと悲しみと、なぜか自分を責める気持ちが同時に来た。「私に何か原因があったのか」「もっと早く気づくべきだったのか」。
友人に相談すると「別れた方がいい」と言う人と「子どものために頑張って」と言う人に分かれた。どちらも本当のことを言ってくれているのはわかっていた。でも、答えが出なかった。
「感情」と「判断」を分けることから始まる
浮気を知った直後の感情の嵐の中で、大きな決断を下そうとすることは、かなり難しい。
これは意志が弱いからじゃない。感情が激しく動いている状態では、脳の判断する機能が平常時と違う動き方をする、という話がある。詳しくは書かないが、「今の自分の判断が、本当に自分の判断かどうか」を疑う必要がある状態だ、ということだ。
だから、「修復か別れか」という問いに今すぐ答えを出すことより、まず「今の自分がどういう状態で判断しているのか」を知ることが先になる。
これが難しい。なぜなら、判断している自分が、その状態の中にいるからだ。
ユリさん(仮名・30代後半・医療系の仕事に関わる職場勤務)は、夫の浮気が発覚してから8ヶ月後、ようやく自分の答えを出した。
修復を選んだ。ただ、最初から「修復しよう」と思っていたわけじゃない。
発覚直後は離婚を考えていた。弁護士に相談しようと思ったこともあった。でも、ある気づきを経てから、「自分は本当は何を求めているのか」という問いに向き合えるようになった。
最終的に修復を選んだのは、夫が謝ったからじゃない。自分の中の「パターン」が見えたことで、判断の基準が変わったからだった。
タカコさん(仮名・40代後半・販売系の仕事)は、発覚から3ヶ月後に離婚を選んだ。感情に流されて決めたのではなく、自分のパターンと夫のパターンを整理した上での判断だった。
「後悔はない」と彼女は言っていた。
二人の選んだ答えは違う。でも共通していたのは、「自分のパターンが見えた」上で判断したことだ。
浮気という出来事は、ある意味で、関係の中にあった「見えていなかった何か」を表面に出すことがある。それが何なのかは、関係によって違う。
「修復すべきか、別れるべきか」というのは、本当は外から答えが出せるものじゃない。でも、判断するための「材料」を整理する手伝いはできる。
「一人でぐるぐるする時間」が、状況を悪化させる
浮気が発覚してから、ネットで情報を集める人がいる。「浮気した夫を許せる方法」「離婚した方がいいケース」「修復のための話し合いの仕方」。
読めば読むほど、どちらの情報も「もっともらしい」。どれが自分のケースに当てはまるかわからない。
友人に話すと、友人の価値観や状況が入ってくる。カウンセラーに行こうとしても、「どこに行けばいいのか」「今の自分の状態を言葉にできるのか」という壁がある。
こうして「一人でぐるぐるする時間」が積み重なる。
この時間が長くなると、怒りと不安と疲弊が混ざって、判断力がさらに下がる。判断力が下がると、また情報を集めてぐるぐるする。このループから出るのは、思っているより難しい。
僕自身、かつて職場でどん底だった時期がある。
朝5時半に出て夜9時に帰る生活が何年も続いた。体重が10キロ落ちた。夜はお粥しか食べられなかった。胃腸がおかしくなって通院していた。
そのとき、「何かを変えなければ」と思って神社に通い続けた。半年以上通ったが、良くならなかった。次にコミュニケーションセミナーに通った。3年、年間40〜50万円かけた。
一時期は改善した。でも半年後にはまた元の状態に近いところに戻った。
長い時間、「正しいことをやっているのに、なぜ変わらないのか」がわからなかった。
後になってわかったのは、問題の「場所」を間違えていたということだ。外から何かを補うのではなく、自分の内側にある「パターン」が問題だった。
パターンが見えていない状態では、どれだけ正しいことをやっても、似たところに戻ってくる。
正直に言うと、浮気・信頼崩壊のような深刻な問題に対して、僕のレポートが「答え」を出せるわけじゃない。
判断を代わりにすることはできない。感情を消すこともできない。
ただ、「今の自分がどういうパターンで動いているのか」「なぜこの関係でこういうことが起きたのか」——この問いに、心理学の視点から整理するきっかけくらいは作れると思っている。
感情の嵐の中で判断する前に、自分のパターンを知ること。それだけで、少し「立ち位置」が変わることがある。
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「修復か別れか」の前に、「自分のパターン」を知りたい人に届いてほしいと思っている。
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まあ、合わなければそれでいい。ただ、一人でぐるぐるしている時間は、思っているより心を削っていく。僕は職場でのどん底を、5年近く一人で抱えていた。3年は無駄だったと、今は思っている。
おわりに
浮気を知った夜のことは、なかなか消えない。
その後どう判断したとしても、「あの夜」は自分の中に残る。
「正しい答え」を出すことよりも、「自分が納得できる答え」を出すことの方が大事だと、僕は思っている。
そのためには、感情が落ち着いた状態で、自分のパターンを見ながら判断することが必要になる。
一人で答えを出すのが難しい理由は、「問題の中にいる自分の目では、問題が見えにくい」からだ。
どうするかはあなた次第だ。ただ、この記事を読んで何か引っかかるものがあったなら、たぶんそれは、本当のことだからだと思う。
🙋 このブログを書いている人について
だいき|産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
会社員時代、職場の人間関係でメンタルが限界に。「このままではまずい」と一念発起し、コミュニケーションを学び直した経験が、産業カウンセラー・キャリアコンサルタントの資格取得につながりました。
恋愛・婚活でも7年間で88人とデートを重ねながら、うまくいかない時期が長く続きました。その苦しさを知っているからこそ、脳科学・進化心理学・愛着理論といった知識を「自分ごと」として学び続けてきました。
キャリアブレイクコミュニティでは160回以上のワークショップを主催。さまざまな悩みや状況を持つ方と向き合い続けてきた経験が、相談の土台になっています。
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