あの日から、なんとなく体がおかしい
大切な人がいなくなってから、どこかが変わった気がしている。眠れない夜がある。食欲がわかない日がある。病院に行くほどではないけれど、「なんとなく調子が悪い」が続いている。
周りには「時間が経てば慣れるよ」と言われる。たしかに、少しずつ生活には慣れてきた。でも体の感覚は、言葉でうまく説明できない何かが、ずっと残っている。
ある60代の男性が話してくれた。
タカオさんは、長年連れ添った妻を病気で亡くした。最初の1年は、悲しいというより「ただ動いていた」という感覚だったという。食事は作れないので外で済ませる。洗濯は週に一度まとめてやる。そういう「仕組み」で生活を回し始めた。でも、妻の命日が近づくと、決まって体に不調が出た。胃が重くなる。頭が痛い。風邪をひく。「気のせいだろう」と思っていたが、それが毎年のように続いた。
それは気のせいではなかった。
実は、メンタルとは関係のない話だった。
第1章:体は「関係性」を覚えている
人は大切な関係を失うと、体に何かが起きる。これは「気持ちの問題」ではなく、もっと根本的なところで起きていることだ、という話がある。
ある研究では、配偶者を亡くした人の死亡が、結婚記念日や配偶者の誕生日、命日の近くに集中する傾向が確認されている。死亡の原因が心臓病であれ、がんであれ、その「タイミング」に日付のパターンがあった。これは偶然ではなく、繰り返し確認された傾向だ。
なぜそうなるのか。詳しいメカニズムには複数の説があり、まだ完全には解明されていない。ただ、「心理的な紐帯が、生物学的な生死に影響を与えている」という可能性は、否定しきれないところまで来ている。
たとえるなら、こうだ。木が根を張った土があって、その土ごとなくなったとき、木はどうなるか。根が宙に浮く。すぐに倒れるかどうかは木の強さによる。でも、いつか必ず何かが起きる。
人間関係も似ている。長年にわたって「根を張り合ってきた」関係は、その関係が終わったとき、体のどこかに影響を与える。それがいつ、どんな形で出るかは人によって違う。でも、「何もない」ということは、あまりない。
僕自身は、人間関係の重さを、かなり痛い形で体で覚えた経験がある。
職場の人間関係が完全に壊れた時期があった。上司との関係は険悪で、派遣の同僚には辞め際に不満をぶつけられ、それが上司経由で戻ってきた。その頃から体重が10キロ落ちた。夜はお粥しか食べられなかった。1年近く、その状態が続いた。
誰かとの関係が壊れることが、これだけ体に出るとは思っていなかった。それはメンタルの弱さとも、根性とも関係がなかった。「関係性の喪失」に反応していた、としか言いようがなかった。
じゃあ、この「関係性」に、どう向き合えばいいのか。それがここからの話だ。
第2章:「立ち直った」のではなく、「関係を作り直した」人たちの話
大切な人を亡くしたあと、あるいは長年の関係が終わったあと、「立ち直った」という言い方をよくする。でも実際に変化した人たちを見ていると、「立ち直った」のではなく、「新しい関係の根を張り始めた」という方が近い気がする。
ユミコさんは、20年以上連れ添ったパートナーと別れることになった。しばらくは何もできなかった。でも1年ほど経ったころ、自分の「関係性のパターン」を少し整理してみた。誰に頼れるか、どんな場所なら安心できるか、自分はどんな関係に「根を張りやすい」のか。それが少し見えてきてから、自分からコミュニティに顔を出すようになった。最初はぎこちなかったが、半年後には週1回必ず話す相手が3人できた。体の不調も、少しずつ落ち着いた。
タツヤさんは、長年の友人を病気で亡くした数か月後から、毎月決まった時期に体調が崩れるようになった。「気のせいだろう」と思っていたが、あるとき自分の「人間関係の型」を整理してみた。自分がどういうときに人と深くつながれるか。どういう関係に居心地の悪さを感じるか。そのパターンが見えてから、少しだけ「新しい根を張る場所」を探し始めた。2年後には、週2回一緒にご飯を食べる相手ができていた。
この人たちが変わったきっかけは、特別な方法ではなかった。ただ、自分の「関係性のパターン」が少し見えた。それだけで、次に向かう方向が変わった。
でも、これを一人でやるのは難しい。というより、ほぼ無理だと思う。自分のパターンは、自分の内側からは見えない。
第3章:「強くなろうとすること」が、体の回復を遅らせている
大切な人を失ったあと、「もう大丈夫、前を向こう」と動き始める人が多い。それ自体は悪くない。でも、内側にある「関係性の喪失」を処理しないまま動き続けると、ある時期から体が限界を伝えてくる。
「悲しんでいてはいけない」「もう十分時間が経った」「強くならなければ」——この自己圧力が強くなるほど、体への影響は長引く傾向がある。
また、「新しい関係を作ろう」と焦って動くのも、実は逆効果になることが多い。自分の「関係性のパターン」が見えていないまま動くと、同じような関係の作り方を繰り返す。うまくいかない経験が積み重なる。「自分には誰もいない」という感覚が強くなる。体の不調が続く。
これはメンタルの問題でも、努力が足りないわけでもない。自分のパターンが見えていないから、動く方向がズレ続けているだけだ。
僕は5年近く、コミュニケーション教室に3年通って、年間40〜50万かけて、何度も「気づいた」と思いながら、同じ場所に戻ってきた。自分のパターンが見えていなければ、どれだけ方法を変えても、最終的には似たところに着地してしまう。
正直に言う。このレポートを読んだだけで劇的に何かが変わる人は、あまりいない。
でも、自分の「恋愛における関係性のパターン」が言葉になると、「次にどこに根を張るか」が少し見えてくる。それが見えると、動き方が変わる人がいる。
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ただ一つだけ。自分のパターンが見えないまま動き続ける時間は、思っているより長くなる。僕は5年かかった。そのうちの何年かは、振り返ると方向がズレていた。
おわりに
体は関係性を覚えている。記念日に体調が崩れるのも、大切な人を亡くした後に不調が続くのも、弱さではない。それはむしろ、その関係がどれだけ深かったかの証拠だと思う。
この記事を読んで何か引っかかるものがあったなら、それはたぶん、本当のことだからだと思う。
🙋 このブログを書いている人について
だいき|産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
会社員時代、職場の人間関係でメンタルが限界に。「このままではまずい」と一念発起し、コミュニケーションを学び直した経験が、産業カウンセラー・キャリアコンサルタントの資格取得につながりました。
恋愛・婚活でも7年間で88人とデートを重ねながら、うまくいかない時期が長く続きました。その苦しさを知っているからこそ、脳科学・進化心理学・愛着理論といった知識を「自分ごと」として学び続けてきました。
キャリアブレイクコミュニティでは160回以上のワークショップを主催。さまざまな悩みや状況を持つ方と向き合い続けてきた経験が、相談の土台になっています。
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