新神戸駅近くの竹中大工道具館。
普段気にも留めない大工道工だけど、ここはまるで道具のミュージアムというよりも“職人の魂”の展示場。
古代の木組みの知恵から、現代の最新工具まで。
一見するとただのノコギリやカンナ。
でも名工が作れば芸術品。
それを使って作られるものも芸術。
図面や手書きの記録、江戸時代から明治時代まで続いた大工用の自学教科書を眺めていると、
技術は積み重ねなんだとしみじみ。
そして場所そのものも素晴らしい。
木をふんだんに使った展示室に、外の緑が映える。
空間自体が“木の美術館”。
心まで整えられた。
さらに特別展示は兵庫県内の職人が作る椅子。
シンプルなものからアートのようなものまで、座って確かめられるのも面白い。
日常の「座る」という行為が、職人やデザイナーの発想次第でかなり変わることを実感。
昔からの道具と今の家具。時代も役割も違うけど、「人の手がつくるものには温もりがある」という共通点。
建築や木工に詳しくなくても十分楽しめた。
道具の歴史をたどること=人の営みをたどること業界は違えども、そして今はそうじゃないのだけどモノづくりに直接関わる仕事の充実感を思い出した。



