『家畜人ヤプー』 | nobodyの冒険

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わかってくれる人、きっといるはずさっ

以前このブログで変態小説のことを書いていた時に、

「それならヤプーはいかがですか?」

と勧められたことがありました。


学生の頃、バイト仲間のひとりが

「ヤプー読んでみない?ヤプーヤプー」

と、うわごとのように言っていたのを思い出しました。

ピュアで硬派wだった当時の私は見向きもしなかったのですが、

現在のヘンタイおじさんな私は迷うことなく読み始めました。


・・・いやぁ、

すごいっすね。


この小説をどういう言葉でくくればよいのか。

世間的には「究極のマゾ小説」みたいに言われることが多いでしょうか。

確かにその要素がとても強いです。

主人公のリンが去勢されるシーンなんか、読んでいて

「うわぁ・・・ ひゃぁ・・・」

と悶絶してしまうレベルです。


でもその一方で、

「戦後日本に対する究極の風刺小説」

というような見方もできます。

天皇家さえも問答無用にネタにしてしまう。

よく発売禁止にならないな、

日本って寛大な国だなぁ、などと妙に感心します。


連載開始が1950年代。

三島由紀夫に「天下の奇書」と言わしめた。

という割に、ずいぶん最近のネタも盛り込まれているな、と思っていたら、

連綿と加筆修正されているんですね。

私が読んだのは「幻冬舎アウトロー文庫」版です。


とにかく、逞しい想像力が要求される小説です。

表紙にイラストがある以外、一切挿絵なし。

これは一体どういうビジュアルになるんだろう、と

想像し続けながら読み進めます。結構疲れます。

なぜか石ノ森章太郎がマンガにしているのですが、

そちらは後から読もう、とまだとっておいてます。


お勧めのヘンタイ本、引き続き絶賛募集中です。