「ライブハウス東京ドーム」に行ってきました。
音楽の趣向がこれだけ多様化してしまうと、今の10代・20代ぐらいの人たちは「同世代がこぞって熱狂する」という感覚がよくわからないのではないでしょうか。
全盛期のBOØWYは、そりゃあ凄かった。
曲を聞けば、ライブビデオを見れば、あるいはその後のフォロアー達を見れば、ある程度は推測できるかもしれないけど、
でも当時の空気というか、いくら説明しても伝わらないものがあるように思います。
私はまさに、青春真っ只中で聴いていた世代です。
片想いの子に見事振られたとき、街中には氷室京介の曲が流れていました。
ヨメさんと付き合い始めた頃、最初に盛り上がった話題がBOØWYでした。
大人になって働き始めて、気づけば生活から音楽が遠ざかっていました。
"LAST GIGS"の広告を見たとき、
自分はなんだか忘れかけているものがあることに気づきました。
それを取り戻さなければならないような気がして、チケットを入手しました。
そして当日。
1曲目"Dreamin'"が始まると同時に、
自分の中に眠っていたいろいろなものが「ブワーっと」よみがえってきました。
今よりずっと心が柔らかかった、あの頃が。
このツアーで「無期限活動休止」とはとても思えない勢いで、
氷室京介は次々に歌っていきます。
"16"、"cloudy heart"、"Roxy"、"Lover's Day"・・・
泣きながら一緒に歌いました。
帰りの電車は、ちょっとした虚脱状態でした。
もちろん楽しかったし、もう生で聴けないというさみしさもありました。
でも、そういう感情よりも、自分の中に眠っていた何かが目覚めたことを改めて感じ、
うれしさとともに戸惑いを覚えました。
人間、年を取っていくのは仕方のないことです。
でも、身体の老化と感性の老化は必ずしもパラレルではないはずです。
感性の老化には抗いたい、気持ちは老け込みたくない。
最近、とみにそう思います。