以前に、エホバの証人は、究極の白黒思考だという話をしました。
 
 
それにも関係があるのですが、エホバの証人は、何かも問題に関して、すぐに、これは短絡的に○○が悪いと決めつける傾向があります。
 
例をあげましょう。
あなたの子どもが、最近言うことを聞かなくなってきた、態度が悪い。エホバの証人は、すぐに聖書を開き、また出版物を開き、また他の、いわゆるいい子の例を取り上げて、あなたのやり方がわるい、懲らしめが足りない、悪い交わり(つまりエホバの証人でない人との遊びなど)をさけないさいなどとと指摘します。
 
しかし、実際はどうでしょうか。そんなこと誰にもわかりません。だって、理由は、たくさんの事情が重なったものでしょうし、思春期などそういう時期があるということもあります。まして、あそこのうちでは、これをやって、いい子になったなどと比較することは、全く意味がありません
でも、エホバの証人のそういった短絡的な答えは、とてもわかりやすく、人によっては受け入れやすいのでしょう。実際、厳しい体罰よって、子供たちを黙らせておけば、少なくともその場では、いい子になったように見えますが、長期的に見て、大人になったときは、どうでしょうか。うつ病や、親との悪い関係につながる可能性があります。
 
別の例を考えましょう。ある人が、温暖化について問題視しているとしましょう。エホバの証人は、商業組織の貪欲さにについて語り、また人間の政治が悪いという話をします。
しかし、温暖化が、本当の原因が何なのか、自体、完全にわかっているわけではありません。CO2と実際に関係があるか、証明されているわけではなく、単なる地球の長い期間の変動にすぎないという科学者もいます。しかし、エホバの証人は、温暖化は、商業組織、人間の政治組織だと短絡的に決めたがります。そのほうがわかりやすいからです。
 
また、別の例を考えましょう。うつ病に悩んでいる姉妹がいます。周りの人が励ますのは、何でしょうか。結局霊的な活動を頑張るしかないというような話をします。
 
大会の経験や、ビデオなどで出てくるのも同じです。
ある人が、家庭の問題、経済的な問題、健康の問題、など、抱えていたところ、聖書研究を始めて、集会にいくようになって、開拓奉仕を始めて、問題が解決、改善したという話をよく聞きます。問題が解決しなければ、まるで、その人が霊的に頑張っていないからと、短絡的な因果関係を作りたがるのです。
 
 
上記のような問題に対する短絡的な答えが、人によっては受け入れやすかったり、慰めになることもあります。しかし、そういった考えが、逆に人に間違った期待を持たせることもあるのです。なんか、もやもやすっきりしない状態が続くと、誰かをせめたり、自分を責めたりし始めるのです。むしろ、そんな時期もあるよ、というくらいの見方で、自分や、他人、また周りの状況を責めすぎないでいるほうが、心の状態は良いような気がします。
 
 
人生の中で、いろんな時期があり、なんとなくもやもやしたり、うまくいかなかったり、くよくよしたりするときがあります。そんな時、「あれが悪い」と短絡的に因果関係を示してくれると、すっきりした気がします。しかし、じゃあ、そのもやもやや、くよくよといった気持ちがもうなくなるかというとそういうわけではないのです。むしろ、真実な答えは、というか、真実に近い答えは、「まあ、そういうときもあるさ」、「今は、わからなくても、大丈夫。みんなそういう時期が必ずあるんだから。」、「今、はっきり答えを決めつけないほうがいいよ。」「もう少し時間がたつといろいろとわかってくるよ。」といったものではないかと思います。転んでいる状態で、痛みに苦しみながら、自分がなぜ転んだのか、考えるより、とりあえずおきあがってから、あとで考えればいいのです。
 
 
 

バランスの取れた見方ー結論をあせらない

短絡的な因果関係を言われると、その場では、すっきりした気がします。しかし、長期的な問題に関しては、バランスの取れたみかたが必要です。
 
子育てに関しては、長ーい目で見る必要がある
以下のことをよく考えるべきだと思います。
子どもにはいろんな時期がある。親も間違うこともある。子供の感情や理由を本当に親は理解しているか。子供にとって本当につらいことは何か。懲らしめと称して、実際には、こどもの感情をつぶしていないか。親も自分の考えややり方を随時調整しているか。
すぐに結果が出るわけではない。
 
世の中の問題。
戦争や温暖化や災害のニュースのたびに、終わりが近いというが、どの程度のちかさなのか、1年後?10年後?100年後?もしわからないなら、100年後かもしれないということをきちんというべき。
 
人間関係の問題
職場や、学校での人間関係で悩んでいる人がいる。そうした人に、もし世界中がみんなJWだったらいいでしょうねという。でも、JW組織内でも、人間関係のトラブルはたくさんある。非JWは、すべてため、JWはすべて良い。というわけではない。
 
 
人生のなかで、いろんな時期があるということをわすれないようにしましょう。JWは、こうすればすぐに問題が解決するというような印象を与えますが、何事にも時間がかかることをわすれないようにしましょう。