10月半ばからワンステージ、UP! 
具体的に、症状の悪化が数値にも見た目にもハッキリ出てきた。

$J's_cafeへようこそ!-酸素吸入

10月19日から酸素吸入器を入れた。

9月から訪問診療を受けている家庭医、Iドクターの勧めによる。
血中酸素濃度というのか酸素飽和度というのか何やらの数値が、
96以上出なくなり、歌った後などは95を下回るみたいだ。
「先々のことも考えて酸素の用意をしますので、移乗や食後・入浴
後など体力を消耗した時に吸ってください。0.5ℓ/hから始めま
しょう。」と云う先生。

胸苦しくなるというか、呼吸困難になるとその症状は自覚できる
ので酸素を吸うようにはしている。
呼吸が苦しくなると、まるで狭心症か何かのように胸が重苦しく
なる。車イスのステップから足を外し腰を伸ばし、顎を上げて胸を
広げ深呼吸する。
この動作を無意識にしているが、「舟漕ぎ呼吸」と言って呼吸困難
の代表的な症状だそうだ。

Iドクターとは違った見解で、まだ酸素吸入を始めるには早すぎる、
却って害だと云う人もいる。純粋酸素を吸う事で、体内の二酸化
炭素が増えてしまうと云う病気もあるそうだ。
又、50~60代になっても煙草を止められないヘビースモーカーには、
飽和度95以下なんて人はざらにいるよって云う人もいる。

あんまりナーバスになるなって事らしい。


10月25日。ついに左腕が死んだ!
朝目覚めてから車いすへのトランス時に愕然とする。

昨日まで、わずかながらも頼みの右腕をサポートしてくれていた
左腕が、今朝は俺の意思に応えてくれず全く動かない。
ダラッとしたままだ。
指先だけは握る動作をしようとすると動く。
掌を開こうとすると、親指だけ真っ直ぐ伸びるが、他の指は力無く
半分握ったままの状態だ。

しんとした朝の薄闇の部屋で、しばし声もなく涙する。
嬉しい時に泣け、辛い時悲しい時に涙するなって叱咤してきたが、
この日はついに堪えることができなかった。

誰もこの状態を見ていてくれない。
この心中を察してくれる人はココには誰もいない、一人きりの部屋。
このDownしたという自覚症状を訴えたくとも、分かってもらえると
思っていた人は、今はもういない。