旅は道連れ  シエナにて。 | サスライノヒビ

旅は道連れ  シエナにて。

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Yuちゃんが別れる前に
フィレンツェから
シエナに行ってみれば?
綺麗らしいよ。
と言った。

なんとなく
ガイドブックを読んだりしていると
シエナに寄りたくなり
予定を変えて
シエナに行くことにした。

一人だと
あんまりきっちり出発時刻などを決めない私。
この日も決めずに
出発したら
予定より、遅い到着になってしまった。

電車の中で
となりのブースに座っている
なんとなく優雅な女性二人組と
斜め前のブースに座っている
いかにもバックパッカーの女性が気になった。

シエナの駅に到着すると
気になっていた2組の女性が
立ち話をしている。

聞き耳をたてると
今からホテルを探すために
インフォメーションへ行く、といっている。

状況は一緒だった。
しかも、なんとなく気になっていた二組だけに
あわてて声をかけた。

私もホテルを探している、というと
一緒に4人で探そう!という話になった。

優雅な二人組はオーストラリアから来ていて
二人とも娘や息子がいるという
オーバー50のお母様、
バーバラとへレナ。

バックパッカーの女性は
ものすごく美人な
MBAを取得したばかりという
メキシコ出身、
今はピサに住んでいるというベッツィー27歳。

こうなると心強い。
ガイドブックなどに
気に入るホテルがのっていないと
インフォメーションで聞いて
ガイドをもらっていたのだが
いつも不安な心はあるまま探すはめになる。
でも、今日は一人じゃない。

しかし、このシエナという街がくせ者で
まず、駅前や駅の中にインフォメーションがない。
普通は歩いていけるような場所にあるものなのに
バスに乗らないといけないという。

しかもバスを降りてからが
また大変だった。

石畳の街を
大きなスーツケースをひっぱって延々
歩くはめになるのだ。
しかも、坂やら階段やらが激しく多い。

このスーツケースが本当に
重くて
毎日これを引っ張るのがいやで
できるだけ
駅に近いホテルを選ぶようにしている。

バックパックにすればよかった。。。
とこのとき程思ったことはない。
でも、荷物の整理できない私が
バックパックで旅行なんてとても無理な話だ。
体力もないし。

でも、この旅で
確実に私の腕には
筋肉というものがつくと思われる。

だってイタリアの駅には
エレベーターとかエスカレーターとかいう
便利なものは全くなくて
毎回、自力で階段を上り下りしているのだ。

時々、やさしい方が手伝ってくださるが
電車に乗るほとんどの方が
自分の大きな荷物を抱えていらっしゃるので
みんな自分に必死なケースが多い。

話がそれたが
とりあえず
私のスーツケースは
この旅一番、
シエナの街にあわなかった。

やっとたどりついたインフォメーションでも
ユースホステルの情報を1カ所もらえただけ。
なんでも、今日はお祭りがあるとかで
街の中心地近くのホテルは
ほとんどフルかべらぼうに高いとのこと。

ユースに電話しても
今のところ1個しかベッドはあいていない、と言われるし
それでもキャンセル待ちもあるかもしれないし
行ってみるしかない、と
またもやバス停までの道をトランク引っぱり
さらにバスに乗って
ユースへ向かう。

さてさて、キャンセル待ちの45分。
みんながありとあらゆる国の
お菓子を出してきて
ユースのロビーはピクニック会場になった。

色んな話をしながら
待つこと40分。

運良く部屋を用意してもらえて
いざチェックイン、となったとき
ベッツィーが。
「私、実はパスポートをピサの家に置いてきてしまった。」
という。

全てのホテルで
パスポートナンバーを控えられ
警察に送るシステムになっているのだが
パスポートないと
無理なんじゃ?と思っていると
案の定、ダメだったらしい。
10分以上話していたけど
そりゃ無理だろう。。。

結局、ギリギリの時間までシエナにいて
最終電車でピサに戻る、と言った。

リーダーシップをとり
ユース初体験という私たちをひっぱっていってくれた
彼女だけが
泊まれない。

なんて話だ。

しかも、私は二人部屋のそのユースで
知らない人と泊まらなければいけなくなり
またまた不安度120%。

不安に思っても仕方ないし
ベッツィーが帰らなければいけないのは事実なので
とりあえず
シエナの街まで戻り
私たちは散策をはじめた。

旅に出る人たちは
いろんなひとがいる。

あらためて思った
シエナの1日。