週末、川沿いを車で走ってると菜の花の黄色、若草の緑、川と空の水色がとても綺麗だった。同じような景色を以前にも何処かで見た気がした。
桜の花もちらほら見え始めるパステルカラーの季節の中、今年度もまた春風のように過ぎてゆく。
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「人面桃花」 崔護
去年今日此門中 去年の今日此の門の中
人面桃花相映紅 人面桃花相映じて紅なり
人面不知何處去 人面は何処にか去るを知らざるも
桃花依舊笑春風 桃花は旧に依りて春風に笑む
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(現代語訳)
この門の中であの娘を見たのは去年の今日のことだった。
その美しい顔は、桃の花の香を映したかのように紅に染まっていた。
嗚呼、今あの娘は何処に行ってしまったのか。
桃の花は以前と変わらず春風に微笑みかけているというのに。
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「人面桃花」(じんめんとうか)とは「想いを寄せながらも、会うことのかなわない女性」をいう。
なお、この詩の原題は「題都城南荘」(都城の南荘に題す)である。
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(自作英訳初版)
“A Beauty of Peach Blossoms” by Cui Hu
It was on this day last year when I saw her inside this gate, whose face looked as pink as if reflecting peach blossoms.
With or without knowing whither she has gone, the peach blossoms are still smiling at the spring breeze as before.