「ルパン三世」と言えば、今では押しも押されもしない人気アニメ作品です。ルパン三世は、もともとは「モンキー・パンチ」さんが「週刊漫画アクション」に1967年8月から1969年5月まで連載していた漫画が原作です。この漫画は米国の「モート・ドラッカー」という漫画家の影響を色濃く受けているそうです。この漫画におけるルパンは、後のアニメ(特に第1シリーズ後半以降)の義賊的なイメージとは趣が異なり、殺人やレイプを厭わない悪党として描かれており、ハードボイルド色が強い模写や性的な模写が頻繁にあります。

 テレビアニメのルパン三世は、1971年から放送を開始し(第1シリーズ)。当初は大人向けの作品を志向していましたが、当時の視聴者の関心を集めることができず、対象年齢を下げるという路線変更の後に打ち切られました。しかし、放送終了後、全国で再放送が繰り返された結果、そのたびに人気が高まり(「機動戦士ガンダム」や「宇宙戦艦ヤマト」も同じような経過をたどりましたね)、5年後の1977年に第2シリーズが製作されました。この第2シリーズが好評だったことや、第1シリーズが再放送で評価が高まったことから、現在まで及ぶルパン三世のキャラクターと人気が確立しました。ちなみに、第1シリーズの作画監督を務めたのは、東映動画で宮崎駿さんの先輩であった「大塚康生」さんです。

 第1シリーズが放映された当時、私は高校1年生で、そのオープニング映像のかっこよさに目を奪われました。

 

[ルパン三世(第1シリーズ) オープニング]

 

 劇場用アニメ「ルパン三世 ルパンVS複製人間」は、ルパン三世(第2シリーズ)の人気を受けて1978年に公開された、ルパン三世の劇場用アニメの第1作です。当時の劇場用アニメはテレビシリーズの総集編というものが多かったのですが、この「ルパン三世 ルパンVS複製人間」は総製作費5億円をかけた完全新作として製作されました。この作品は、「初期の頃の大人向けのルパンが見たいという声にお応えします」という制作趣旨が明言され、子供も含む幅広い年齢層を対象にした第2シリーズではなく、第1シリーズ初期の作風に近づけることを命題としました。このため、製作スタッフは第1シリーズに参加した人物が多用されました(第1シリーズで作画監督を務めた「大塚康生」さんが「監修」として参加しています)。

 

[ルパン三世 ルパンVS複製人間 4K ULTRA HD 予告編]

 

 この作品は、謎の「賢者の石」を巡る争奪戦を背景に、ルパン三世と、自ら「神」と名乗る謎の人物「マモー」との対決を描いており、クローン技術をテーマにしたSF作品でもあります。

 次回は、この「ルパン三世 ルパンVS複製人間」というアニメ作品がいかに面白い作品なのかということについて具体的にお話ししたいと思います(うまく話せるかな・・・)。

 

 蛇足ですが、2024.12.16から「DMMTV」というサブスクで「LUPIN ZERO」というアニメを配信しています。この作品は、まだ何物でもない若き日のルパンを描いたもののようです。このアニメのOPを見ると、まさに第1シリーズのテイストそのままです。(どうしよう・・・サブスクは嫌いなんですよね・・・)

 

[LUPIN ZERO オープニング]

 

 

※ Xに画像を投稿しました(2025.3.3)。

https://twitter.com/sasurai_hiropon

 

(次回に続く→時期は未定)