前回のVol.64【SFドラマ・映画 「スタートレック」②】では、1979年に公開された第1作目の「スター・トレック(Star Trek:The Motion Picture)」についてお話ししました。今回はその続きです。

 以下、あらすじの続きをお話しします。

 前回は、プラズマの雲の中心部にたどり着いたエンタープライズから、女性乗務員アイリーアが連れ去られる、というところまでお話ししました。

 

 エンタープライズの指令室に、またもや、「緊急事態!操舵不能!」というアラートが響き渡った。操舵不能になったエンタープライズは、プラズマの雲の中心部に存在しているものによって、牽引ビームで捕獲されどこかに導かれて行く。

 突然「士官室に侵入者」というアラートが発せられた。指令室の指揮を副長のデッカーに任せて、カーク船長とスポックは士官室に向かう。士官室に入ったカーク船長とスポックの前には、連れ去られたアイリーアが立っていた。アイリーアが最初に発した言葉は「協力しなさい、カークユニット。私は、エンタープライズに寄生する炭素ユニット(人間のこと)を調査するために、『ヴィジャー』にプログラムされてここに来た。」であった。

 遅れて入って来たドクター・マッコイは、トリコーダーという器具でアイリーアの身体の組成成分を調べた。「ジム(カーク船長のファーストネーム)、これは機械だ」と驚くべきことをドクター・マッコイは言った。アイリーアであった存在はコピーされ、探査機としてのアンドロイドとなったのだ。「アイリーアはどうなったか」という質問に対して、この探査機は「あれは機能していない」と答えた。

 以下、カーク船長、スポックと探査機とのやり取りである。

カーク:「太陽系の第三惑星を目指す訳は?」

探査機アイリーア:「創造者を探す為だ」

カーク:「創造者に何の用だ?」

探査機アイリーア:「合体する。ヴィジャーと一つになる」

スポック:「創造者とは?」

探査機アイリーア:「ヴィジャーを創造した者だ」

カーク:「ヴィジャーとは?」

探査機アイリーア:「創造者を探す者だ」

 

 糸口さえつかめない。プラズマの雲は地球まで4時間の距離に近づいていた。

 スポックは、ヴィジャーの正体を確かめるために、推進装置の付いた宇宙服を着てヴィジャーの内部に潜入する。そして、彼は、ヴィジャーの内部で、その故郷の惑星や長い旅路の驚くべきイメージを見た後、ヴィジャーの最深部にたどり着き、ヴィジャーとの「精神融合」を試みる。その瞬間、スポックの精神に膨大な知識の洪水が流れ込み、スポックは叫び声を上げながら意識を失い、宇宙空間を漂い出す。エンタープライズに救助されて、医務室で治療を受けるためにベッドに寝ていたスポックが、低い笑い声を上げた。カーク船長が「どうしたんだ?」と問いかけると、次のように答えた。「・・・そういうことだったのか。ジム、ヴィジャーは超高度の技術を持つ生きる機械だ。しかし、ヴィジャーは不毛で冷たい」。そして、カーク船長の手を握り、続ける。「ヴィジャーには、手を握ることで起こるこの単純な感情が理解できない。そして、自分はこれだけの存在なのかと問い続けているのだ」。

 地球に近づいたヴィジャーは、何かの信号を送信し出した。探査機アイリーアは「創造者に送っている」と言う。この信号を聞いたスポックは「単純な搬送波の信号・・・これは無線です」と言った。遥か未来の時代であるこの時代に無線を知っている者はいない。

 探査機アイリーアが「創造者が答えない」と言った直後、プラズマの雲から地球に向けて一つのプラズマ球が発射され、地球防衛システムが無効となった。恐るべき威力だ。そして、いくつものプラズマ球が発射され、地球全体を取り囲んだ。スポックは「作動すれば、地球の全表面が破壊されるでしょう」と言った。地球壊滅の危機である。

 

 

 

 

 Xに画像を投稿しました(2024.6.7)。

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続く→不定期)