皆さんは、今敏(こんさとし)という人が作った「パプリカ」というアニメーション映画をご存じでしょうか。アニメ作品には素晴らしいものが数多くありますが、この「パプリカ」という作品は、他のどのようなアニメにも似ていない独自の世界を持っており、斬新であり、しかも面白いという、「傑作」と言っていい作品であると私は思っています。

 この作品の素晴らしさをお話ししようと思っているのですが、映像はどうだとか、ストーリーはどうだとかを個別にお話ししても、この作品の素晴らしさは伝わらないと思っていますので、あえて、私が「このアニメは凄い」と思っていることを、順不同でお話ししたいと思います。

 まず、このアニメの予告編とオープニングのクレジットのシーン(Vanghny Boiという方がYouTubeにアップしている映像です)を見ていただけないでしょうか。

 

 

 

 

 

 いかがでしょうか。私は、この映像だけでこのアニメの世界に引き込まれてしまいました。ここから、夢と現実が入り混じった、見たこともない世界が展開していくのです。

 「パプリカ」は、2006年に劇場公開された今敏監督の第4作目の劇場用アニメ作品です。この作品は、ベネチア国際映画祭でオフィシャルコンペティションに選出される快挙を果たしました。次回作の準備をしていた今敏監督は、2010年8月に46才の若さでご逝去されました。生きておられたなら、その後どのような作品を生み出されたかと思うと、全く残念でなりません。

 ここで、今敏監督のことを若干お話しします。今敏監督は1963年に北海道の札幌市で生まれ、高校卒業まで北海道で過ごしました。東京の武蔵野美術大学に進学し、大学在学中の1984年に「週刊ヤングマガジン」(講談社)の第10回ちばてつや賞(ヤング部門)の優秀新人賞を受賞し、漫画家としてのデビューを果たし、また、「大友克洋」さんのアシスタントとして働くことになります。これをきっかけにアニメの世界でも仕事をするようになり、大友克洋さんの「老人Z」、押井守さんの「機動警察パトレイバー2 the movie」などの製作に参加した後、1997年に劇場用アニメ「PERFECT BLUE」で監督デビューを果たします。その後、第2作目「千年女優」、第3作目「東京ゴッドファザーズ」を作り、第4作目「パプリカ」に至るのです。

 以下、私が「このパプリカというアニメは凄い」と思っていることを順不同でお話ししたいのですが、話し出すと尻切れトンボになりそうですので、それは次回にお話しようと思います。

 

※ ツイッターに画像を投稿しました(2023.5.31)。

https://twitter.com/sasurai_hiropon

 

(次回に続く→時期は未定)