私は1956年(昭和31年)生まれです。こどもの頃に遊んだおもちゃは、今と違って、電子的な要素がほとんどないものでした。あえて言えば、電池で動くモーターと豆電球ぐらいだったでしょうか。本当に単純なおもちゃが多かったんですが、今思い返してみると、楽しく遊んでいたように思います。私のこどもの頃は、スーパーマーケットなどはなくて、おもちゃは駄菓子屋さんか小さなおもちゃ屋さんで買っていました。
心に浮かぶままに、その頃のおもちゃについて話したいと思います。
《巻玉火薬鉄砲、銀玉鉄砲など》
「巻玉火薬鉄砲」は、幅5~6mmの紙テープの上に等間隔で火薬を乗せクルクルと巻いてあるものを、小さなブリキの鉄砲(古い言葉ですね)の上に開いている穴に装てんし、引き金を引くと「パン!」という大きな音がするおもちゃです。100連発などがあったと思います。
「銀玉鉄砲」は、プラスチックでできたピストル(その頃漫画などで流行った「コルト」というピストルの形をしていたと思います)の上部にある穴の中に「銀玉」という5mmぐらいの丸い球をザラザラと入れて、引き金を引くと、銀玉が弾丸のように一発ずつ発射されるものです。銀玉と言っても本当の銀でできているわけではなく、こどもの頃、試しに割ってみたら、何か土のようなものを固めて銀色の塗料を塗ったものでした。
私より2~3年前に生まれた人たちは、このようなおもちゃで遊ぶ年齢の時に、「月光仮面」や「七色仮面」などが流行っていて、友達同士で正義の味方や悪役を演じながら遊んでいたんでしょうが、私がそのような年齢の時は、すでにテレビでは「鉄腕アトム」などのアニメが主流になっていて、ヒーローはピストルなどで戦ってはいませんでした。ですから、もっぱら一人で、巻玉火薬鉄砲をパンパン鳴らしたり、タバコの箱(昔は「ピース」や「ホープ」などの銘柄は箱に入っていました)を標的にして、銀玉鉄砲で狙い撃ちにしたりして遊んでいました。
また、1968年に放映が始まった「わんぱく探偵団」というアニメで、主人公が、小さなコイン型の円盤を発射するピストルを使っていて、これがおもちゃとして販売されていました。このおもちゃはなかなかよく出来ていて、銀玉鉄砲のような使い方でよく遊んでいました。
《いたずらのおもちゃ》
「いたずらのおもちゃ」というのはどのようなものかと言うと、例えば「ブーブークッション」があります。ブーブークッションというのは、小さな平たい浮き輪のような形をしていて(真中に穴はない)上から押すと「ブー」とおならのような音が出るおもちゃです。私のこどもの頃は、どの家でも座布団を使っていましたので、その座布団の下にブーブークッションを入れておいて、誰かが座って「ブー」と音が鳴ると、「わー、おならをしたー」とはやすという使い方をします。しかし、評判になった割にはあまり見かけませんでした。親や親戚の叔父さんなどにやったら下手をしたら怒られるし、友達にやっても受けるのは1回限りなので、評判の割には売れなかったのかもしれません。
また、その頃一般的だった6枚入りのガムとそっくりな形をしているいたずらのおもちゃもありました。「ガム、食べんか?」(博多弁です)と友達に勧めて、「おう、貰うじぇ」(同じく博多弁です)とその友達がガムを1枚引き出すと、裏についているバネが外れて「パチン」と指を打つというものです。私は、このおもちゃを持っていましたが、一度も使ったことがありませんでした。指を打たれた友達は面白くないし、下手をすると「なんばするとや!」(またまた博多弁です)と殴られるかもしれないからです。頭で想像するだけなら面白いんですが、実際使うには勇気(?)が要りました。
(続く→時期は未定)
※ ツイッターに画像を投稿しました(2023.2.25)。
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