私は、こどもの頃体が弱かったので、友達と一緒に野球をやったりしたことがありませんでした。家の中にいることが多く、気が付くとプラモデルを作るのが好きになっていました。

 小学生の時に最初に作ったプラモデルは、怪獣モノだったと思います。Vol.29【プラモデル 日東科学の怪獣モノ】でもお話ししましたが、「日東科学」から発売されていた、ゼンマイで動く怪獣を作っていました。「ワニゴン」、「ガメラ」、「ギャオス」などです。また、怪獣ではなく恐竜ですが、やはり日東科学から発売されていた「ステゴザウルス」も作りました。

 テレビで放映していたアメリカのドラマの「宇宙大作戦」、「宇宙家族ロビンソン」、「タイムトンネル」、「サンダーバード」などを見て、SFが好きになり、「今井科学」から発売されていたサンダーバードの「1号」や「ジェットモグラタンク」、それから、全く架空のコンセプトのSFモノもよく作っていました。どこのメーカーか分からなかったので、今回調べてみたら、どうやら「緑商会」という会社のようです。記憶に残っているのは、キャタピラーで前進しながら、ある一定の時間が経つと、車体の後ろにある格納庫の扉が自動で開いて、円盤のようなものがヒューンと飛び出す仕掛けがあるプラモデルです。こども心にも「よく出来ているな」と思っていました。また、車体の下にプロペラが付いていて、浮かびながら移動するホバークラフトのようなプラモデルもありました。

 変わり種では、「日本模型」から発売されていた「楽器シリーズ」がありました。その中の「ドラムセット」と「エレキギタートリオ」を作った記憶があります。このシリーズは、例えばエレキギターなどは細い針金でギターの弦を張るようになっていて、なかなか精密にできていました。

 変わり種と言えば、「マルサン」から発売されていた「驚異の人体」があります。このプラモデルは、要するに人体模型なのですが、人間の体が透明のプラスチックでできていて、その中の内臓や骨や血管などがリアルに再現されていました。プラカラーで臓器ごとに色を塗りました。人体の胸部・腹部が開き、心臓・肺・胃・大腸・小腸などをパカパカと取り外して、またもとに戻せるようになっていて、パズルのようで面白かったのを記憶しています。確か、このシリーズには、「犬」や「鳥」もあったと思います。今から思うと、こんなものを思いついた人は、どのようなところから発想したのでしょうか。

 中学生になると、「タミヤ模型」の戦車をよく作っていました。大ヒットしたアメリカのドラマ「コンバット」の影響でしょうか。戦車というのは、完全に実用的というか、機能美の極致なので、どうもそのようなところに惹かれたんだと思います。ドイツの「タイガーⅠ型」、フランスの「ナポレオン」、ソ連の「ジューコフ」、アメリカの「M4シャーマン」などが記憶にあります。私は、戦争物の映画などには全く興味がないのですが、単純に、その造形の機能美や、キャタピラで走る面白さに惹かれていたんだと思います。

 高校生(もうこどもとは言えませんが)になると、タミヤ模型から発売されていたレーシングカーやオートバイなどを作っていました。タミヤ模型のプラモデルは、縮尺などは完璧で、細部に至るまでよく作り込まれていて、作っていて夢中になりました。レーシングカーの「ホンダF1」のサスペンションを見事に再現していたり、往年のオートバイの名車であるホンダの「CB750FOUR」などは、まるで本物かと見間違えるほどの完成度でした。

 大学に入ってからは、アルバイトをしたり、オートバイを買って乗ったり、資格試験の勉強をしたりと、現実の生活が忙しくなり、プラモデル作りからは離れてしまいました。こどもの頃に夢中になってプラモデルを作っていた思い出は、今でも心の中に残っています。

 

 ツイッターに画像を投稿しました(2022.12.31)。

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