1963年に放映が開始された「鉄腕アトム」が大人気となり、それ以降のこども向け番組はアニメが圧倒的に多くなるのですが、それまでのこども向け番組は実写でした。「スーパージャイアンツ」から始まり、数々のヒーローものの名作が生まれました。

 このブログを書くにあたって、ふと思ったことが表題のとおりのことで、「アニメの主人公はこどもが多いのに、そういえば実写のヒーローはおじさんが多かったなあ」ということです。有名なヒーローものの作品では、「まぼろし探偵」と「少年ジェット」を除けば、主人公はみんな「おじさん」です。今回は、昔のヒーローものについて、この視点から話したいと思います。こどもの頃の記憶はおぼろげですので、ネットの情報を参考にしました。カッコ書きは放映開始の年です。

 

《スーパージャイアンツ》(1957年)

 まずは「スーパージャイアンツ」です。私は1956年生まれでこの頃は1才なので、この番組を見ていません。主演の「宇津井健」さんはこの時26才なので、こどもの目から見ればりっぱなおじさんだったでしょう。宇津井健さんは、その後、テレビドラマの「ザ・ガードマン」、山口百恵さんの「赤いシリーズ」、「渡る世間は鬼ばかり」などで活躍されました。スーパージャイアンツは、地球の核実験を止めさせるためにエメラルド星から送られた平和の使者だそうです。この番組は、変なところで今でも話題になっています。それは主人公の衣装なんですが、全身白いタイツ姿そのままなので、股間の「モッコリ」が否が応でも目に入ってしまうことです。しょっぱなから変なことを話してしまいました。

 

 

《月光仮面》(1958年)

 言わずと知れた「月光仮面」です。日本のヒーローものの元祖と言われています。この番組は大ヒットし、平均視聴率は40%、最高視聴率はなんと67.8%にもなったそうです。 

 月光仮面は、だれかが悪人によって危機に陥った時、どこからかオートバイに乗って現れる正義の使者です。白の全身タイツ(またタイツか・・)に黒いベルトを着け、白い覆面の上に黒いサングラスをかけ、頭には白いターバンを巻き、白いマフラーをなびかせています。いやー、カッコいい。主題歌の歌詞に「~月光仮面のおじさんは~」と歌われているとおり、正真正銘のおじさんです。月光仮面は「憎むな、殺すな、赦(ゆる)しましょう」という理念を持っており、いちおう二丁拳銃を構えていますが、悪人を殺すことはなく、発砲しても悪人の武器を打ち落とすことにしか使いません。どこかの国のだれかに見習ってもらいたいですね。

 放映されたのは、私が2~3才の頃なので、この番組の記憶は全くありません。ただ、母が何度も話していたことを思い出します。その頃、私の父は結核に罹っていて、休職し自宅で療養していました。貧乏なので、他の家がちらほらテレビを買う頃になってもテレビが買えませんでした。ある日、4才違いの兄と私が夕方になっても帰ってこないので、母が心配して、近所の家を覗いたら、その家の人が夕食を食べている前で、兄と私がテレビの真ん前で月光仮面を見ていたそうです。「あの時ほど情けなかったことはなかった」とよく母は言っていました。

 

 

※ ツイッターに画像を投稿しました(2022.9.16)。

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((続く→不定期)