Vol.40 【音楽 「ウッドストック・フェスティバル」①】の続きです。

「ウッドストック・フェスティバル」(以下「このコンサート」と言います)の出演者のうち、私が知っているミュージシャンは以下のとおりです(他にも、名前だけは知っている、又は、全く知らないミュージシャンも多数出演しています)。

 リッチー・ヘブンス、ジョーン・バエズ、サンタナ、ジャニス・ジョプリン、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、ザ・フー、ジョー・コッカー、ザ・バンド、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ、クロスビー スティルス&ナッシュ、シャナナ、ジミ・ヘンドリックス。

 今回は、これらのミュージシャンの中で、私が衝撃を受けた人たちについて、Vol.40でもお話しした「ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間」というドキュメンタリー映画(以下「この映画」と言います)に基づいて、個別に話したいと思います。

 

【リッチー・ヘブンス】

 リッチー・ヘブンス(1941~2013)は、黒人のフォークシンガーです。私は、この人の歌を、この映画以外で聴いたことがありません。この映画では「Freedom」という歌を歌っています。アコースティックギター1本(パーカッションとサポートのギターは入っている)で歌っているのですが、その歌声の圧倒的迫力のみでなく、ピックによるコードストロークのみの演奏のリズム感・キレの良さ・迫力に驚嘆しました。すべてのコードを親指のみで押さえており、こんな弾き方をする人は見たことがなかったので、目が点になりました。私の乏しい知識から見て、どうも変則チューニングで6~3弦のみを使って演奏しているようです。映像を見ると、普通は傷が付いている1弦側のピックガードがピカピカで、6弦の上のほうのボディにかなりの傷が付いています。こんな演奏、こんな状態のギターを見るのは初めてでした。

 

 

ジョー・コッカー】

 ジョー・コッカー(1944~2014)はイギリス出身の歌手で、「ローリング・ストーン(米国の有名な情報雑誌)の選ぶ歴史上もっとも偉大な100人のシンガー」の第97位に選ばれています。

 この映画では、ビートルズの「With A Little Help From My Friend」(アルバム「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」の2曲目)を歌っています。

 舞台に現れると、かなりの大男です。髪の毛はぼさぼさの縮れた長髪、その頃流行った絞りのサイケな(古くてすみません)柄の長袖シャツを袖まくりして、下はジーンズ、そして、靴は青地に白い星がちりばめられているブーツです(私には星条旗に見えます)。

 演奏はバックバンドに任せて本人はボーカルのみです。曲名を言うとすぐに前奏が始まるのですが、前奏が始まるや否や、体を前後に激しく揺らしながら手を動かし出します。その手の動きは、明らかにギターを弾いています。エアーギターの元祖ではないかと思います。

 ビートルズの原曲とは全く異なるスローなテンポに編曲されていて、彼は、独特のしゃがれ声で、時には静かに、時には絶叫しながら歌います。何度見ても(私はDVDを持っているので)、心を動かされます。

 

 

 

※ ツイッターに画像を投稿しました(2022.6.23)。

https://twitter.com/sasurai_hiropon

 

(以下次回→不定期)