私が小学生のころに、テレビで「宇宙大作戦」という米国のテレビドラマをやっていました。エンタープライズ号という宇宙戦艦が、宇宙を探査し、数々の不思議な出来事に遭遇しながら、苦難を克服し旅を続ける、というSFドラマでした。脚本がとてもよく出来ていて、大人になった私にとってはとても面白いものですが、いかんせん、小学生の私には難しすぎて、話が退屈に思えました。しかし、ドラマの理知的な雰囲気がとても好きで、今でも印象に残っています。友達との間では、レオナード・ニモイさんが演じていた、バルカン星人と地球人の混血である「ミスター・スポック」で盛り上がっていました。あの耳の形は不思議でしたね。この番組の原題が「スタートレック(Star Trek)」だと知ったのは、ずっと後のことです。

 「スタートレック」のシリーズは、現在まで、数多くのテレビドラマ、テレビアニメ、映画が製作されています。 原作者のジーン・ロッデンベリーの初期の構想は、アメリカの西部開拓時代のように宇宙を開拓する人々の物語であったといいます。

 最初のテレビシリーズ「Star Trek」は、米国では視聴率が伸び悩み、第2シーズンでの打ち切りが囁かれるほどであったといいます。ファンのよる番組の継続を求める嘆願などで継続されましたが、結局第3シーズンで放映が打ち切られました。今となっては大人気のこのシリーズも、出だしは前途多難だったわけです。米国では、1966年9月から1969年6月まで放映されました。

 そのような状況でしたが、再放送が始まると、次第に米国全土で人気を獲得するようになり、この人気に後押しされて、1979年12月に、劇場版第1作「スター・トレック(Star Trek:The Motion Picture)がパラマウント映画により公開されました。この劇場版第1作は、莫大な制作費の回収には至らなかったものの、パラマウント映画が続編を企画するには十分な成績で、その後も劇場版が継続して作られました。この時期、「スター・ウォーズ」

の大ヒットによりSF映画ブームが生じたことも追い風になったと思われます。

 その後、劇場版は、1982年に「スタートレックⅡカーンの逆襲(Star TrekⅡ:The Wrath of Khan)」、1984年に「スタートレックⅢミスター・スポックを探せ!(Star TrekⅢ:The Search for Spock)、1986年に「スタートレックⅣ故郷への長い道(Star TrekⅣ:The Voyage Home)と、立て続けに公開されました。

 最初のテレビシリーズは放映が打ち切られたわけですが、映画が好評だったため、スタートレックのシリーズに価値を認めたパラマウント映画は、新しいテレビシリーズを企画します。これが「新スタートレック(Star Trek:The Next Generation)です。米国では、1987年9月から1994年5月まで放映されました。このシリーズは前作の続編の位置付けで、前作の約80年後の時代設定です。エンタープライズ号の形状や登場人物が一新されています。このシリーズは、当初は人気が振るいませんでしたが、中盤から人気が上昇し、前作に匹敵する人気作品に成長しました。

 その後、テレビシリーズは、「スタートレック:ディープスペースナイン(Star Trek:Deep Space Nine)、「スタートレック:ヴォイジャー(Star Trek:Voyeger)と続き、現在も新作が作られています(2022年2月現在)。

 

 

 

(続く→時期は未定)