日本で最初の商業テレビアニメ「鉄腕アトム」は1963年に放映が開始されました。私は1956年生まれですので、私の7才の頃です。鉄腕アトムが大ヒットしたことにより、その後次々とテレビアニメが作られることになります。私の子供時代はアニメとともにあったと言っても間違いではありません。
それぞれのテレビアニメについて、時代を追ってお話しさせて頂くのですが、こどもの時の記憶が頼りですので、ストーリーなどはほとんど覚えていないことをあらかじめお詫びします。私の心に残っていることを書きたいと思います。カッコ書きは放映が開始された年です。
《 鉄腕アトム(1963) 》
日本で最初の連続テレビアニメです。この作品がなかったら日本のアニメ産業はこんなに発展しなかったと思います。ただ、リミテッドアニメという手法を定着させたことは、功罪両面の評価があると思います。
手塚治虫さんという人は偉大な方だったと思います。ただ、個人的には、今の日本のアニメの基盤を作ったのは東映動画ではないかと思っています。しかし、こどもたちの心をアニメにくぎ付けにしたのは、やはり、数々の虫プロのテレビアニメ作品だったんではないでしょうか。
作品としては、「地上最大のロボット」の回が記憶に残っています。確かプルートゥという巨大なロボットが世界中のロボットに決闘を挑むという話だったと思います。途中で一度アトムが負けて、ウランちゃんがアトムに化けて戦うというシーンがあったんではないでしょうか。私の記憶違いかもしれません。
スタッフには、後に「どろろ」、「千夜一夜物語」、「タッチ」、「銀河鉄道の夜」などの監督をされた杉井ギサブローさんや、「漫画家残酷物語」、「フーテン」などの青年漫画で若者のカリスマになった永島慎二さんの名前もあります。
こども心に印象に残っているのは、アトムが走るときの「キュッポ、キュッポ」という変な音や、おしりから打つマシンガンなどです。また、明治製菓のマーブルチョコレートの筒の中に、おまけでシールが入っていて、楽しみにしていました。
《 鉄人28号(1963) 》
横山光輝さんの漫画をアニメ化した作品です。漫画は、月間少年漫画雑誌「少年」(光文社刊)に連載されていて、同時期に「鉄腕アトム」も同じ雑誌に連載されていたと思います。
鉄腕アトムと鉄人28号は、ロボット漫画であることは共通していますが、両極端というか、アトムは人間の心を持った優しいロボットであるのし対し、鉄人はリモコンで操縦されて、指示どおりに動く、心のないロボットです。
その後のアニメ作品で大ヒットした「マジンガーZ」や「新世紀エヴァンゲリオン」などは、鉄人28号の系統を受け継いでいると思います。一方、鉄腕アトムのコンセプトを受け継いだアニメがその後見当たらないように思います。
オープニングの歌が「グリコ、グリコ、グーリーコー」で始まり「グリコ、グリコ、グーリーコー」で終わるというのは、さすが大阪商人ですね、アクが強い。その影響か、その後、いくつかのアニメ作品でもスポンサー名を連呼していました。
子供心に、主人公の正太郎が、何か変な箱のレバーをガチャガチャやって「鉄人頑張れー!」と言うだけで、あんな大きなロボットを操縦できるんだろうかと思っていました。主人公の正太郎の声をよく覚えているんですが、よく考えたら、サザエさんのカツオの声をやっていた高橋和枝さんの声ですね。この年になって気が付きました。
(続く→時期は未定)