今日、JR東日本大本営から、東京総合車両センター(旧大井工場)の公開イベントの概要についての発表がありました。

 

『東京総合車両センター 一般公開』のお知らせ~ちびっこ集まれ!楽しい電車のお祭りだ!夏休みフェア2019

(PDFファイル注意)

詳細は上記リンク先をご参照願いたいのですが、それによりますと

 

・開催日時 令和元年8月24日土曜日 10:00~15:00(入場は14:30まで)

・開催場所 東京総合車両センター、スポル品川大井町(入場無料、雨天決行)

・イベント内容 車掌体験、輪軸引っ張り体験、ミニ電車乗車体験、プラレール・Nゲージ走行展示、鉄道グッズ販売、社員食堂開放など

その他スポル品川大井町にて、シンカリオン展示、駅長制服体験などを実施

整理券制イベントとして、運転台操作体験、車体洗浄装置通過体験、高所作業車体験などもあり

※ 運転台、車掌、輪軸、高所作業車の各体験イベントは、小学生以下限定

・その他 車両展示、試乗会、鉄道部品販売の実施はなし

 

ということです。

車両の展示や鉄道部品販売を一切実施せず、体験イベントが中心となり、しかもそれらの大半が小学生以下限定となっていることで、完全に子供連れ、ファミリー層にターゲットを定めている一方、鉄道愛好家は「お呼びでない」内容となっています。

 

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このような車両展示は行われない(写真は2012年のもの)

 

ということは、規模は異なるものの、以前に川崎市バス井田営業所で開催された営業所公開イベント(下記関連記事参照)のような内容になるのではないかと思われます。

 

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このイベントも愛好家向けではなかった(2016年のイベント)

 

以上は話の本題の「まくら」であり、本題はここから。

JR東日本は何故、鉄道イベントから鉄道愛好家を排除するような形態をとるに至ったかということです。

 

思い当たることは一つ。

昨年の東京総合車両センターの公開イベントには、「ロイヤルエンジン」ことお召列車専用機のEF5861号が展示されました。既にこの罐は本線上を走らなくなって久しくなっていましたが、それでもこの罐は、お召列車牽引時のように車体が磨き上げられ、日章旗などの装飾も万全な状態で展示されましたから、愛好家たちの熱い注目を浴びました。

しかし。

この罐目当てに愛好家が殺到したため、15時までのイベントにもかかわらず12時前には受付を終了。しかも公開自体も13時ころには終了してしまったとのこと。それも罐をどかすのではなく、会場から罐が見えないようにバリケードを設置したという、かなり荒っぽいやり方ではありました。

ではなぜそうなったのか。

それは、所謂「罵声大会」になってしまい、展示会場が阿鼻叫喚の騒ぎになってしまったから。確かに運営側にもよくないところがあったことは事実。それにしても、愛好家が運営側に罵声を浴びせるなどということは、到底許されるものではありません。まして運営側は、イベントが本業ではないのですから。あくまで運輸業、車両整備などの本業の合間にイベントを開催しているだけですから、必要以上に吊るし上げるのは、酷というものです。

参考:平成最後の東京総合車両センター公開は荒れた(NAVERまとめ)

今年の東京総合車両センターの公開イベントが、子供たちに対する体験イベント主体となり、車両の展示が行われなくなってしまったのは、ひとえにこのような、愛好家の傍若無人ぶりがあるのでしょう。

そして実は、同じようなことは東京メトロでも起きています。以前は招待制にしても、特に客層を限定していなかった綾瀬基地の公開イベントも、平成22(2010)年以降、親子連れ限定に縮小され現在に至っています。これには、車両基地の近隣住民からの苦情が来たことが理由とされていますが、管理人が聞き及んだところでは、車両撮影目当ての愛好家が、小さな子供を連れた若い母親を怒鳴りつけて土下座させたという話もあり、それがメトロをして親子連れ限定に舵を切らせたのではないかともいわれています。

 

要は「愛好家が自分で自分の首を絞めた」ということです。

そうならないためには、鉄道趣味活動にはここの愛好家がルール、マナーを守るしかないのでしょう。鉄道趣味は対象が公共物で、しかも不特定多数の人の目に触れるものですから、何かやらかせば悪目立ちしてしまうのは当たり前です。

本当に気をつけないと、こういう素晴らしい機会もなくなりかねません。

 

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こちらは大丈夫?(昨年の『東武ファンフェスタ』)

 

南栗橋の場合は、時間を区切って撮影者を誘導していますので、さしたる混乱は起こっていませんし、罵声大会になったという話も聞きません。これは東武の社員さんが「イベント慣れ」しているのも大きいかとは思いますが、私たち愛好家は、こういう場では社員さんの指示に従わなければならないと思います。

改めて、管理人自身も気を付けなければならないと思いました。

 

◇関連記事

(平成24年度の東京総合車両センター公開イベント参戦記)

№2258.東京総合車両センターの一般公開に行ってきました 前編~工場見学編

№2259.東京総合車両センターの一般公開に行ってきました 後編~車両撮影編

(川崎市バス井田営業所公開イベント参戦記)

№3713.【あくまで地域住民向け】川崎市バス井田営業所イベント「井田まつり」参戦記【愛好家は】

 

※ 当記事で使用した写真は、全て以前の記事からの転載です。