阪神三宮駅に到着した後は、神戸市営地下鉄へ。
三宮であれば普通は西神・山手線へ向かうのでしょうが、見たい場所もあったのであえて海岸線へ。
海岸線は、同じ三宮でもJR・阪急・阪神の三宮から離れた「三宮・花時計前」から出発します。
三宮(三ノ宮)駅は、山側から順に西神・山手線、阪急、JR、阪神の順に並ぶので、阪神三宮から三宮・花時計前駅は近いはずなのですが、結構な距離がありました。それでもいつぞやの天神南から天神までの距離よりは短かったです。
そこで対面したのは、海岸線専用の5000系。
所謂「ミニ地下鉄」規格
海岸線は、トンネル断面を小さくして建設費を縮減するため、車両を小さくし、リニアモーターを採用した「ミニ地下鉄」「リニア地下鉄」です。車体の大きさは、都営大江戸線の12‐000形と同じくらいと思われますが、12‐000形ほど丸みはきつくありませんし、さりとて大阪市交の70系・80系ほどは角張っていません。
ただ、東京・横浜(グリーンライン)がアルミ無塗装なのに対し、ここ神戸と大阪は塗装車体ですが、やはりこれは東西の差なのでしょうか。
海岸線が「ミニ」なのは、編成両数もそう。編成両数は、これらリニア地下鉄最小の4連。西神・山手線が大型車の6連であるのとは対照的です。
三宮・花時計前の時刻表。
10分間隔
土休日はほぼ終日10分間隔で、地下鉄としてはかなり頻度が少なくなっています。小型車4連で10分間隔、それで足りる程度の利用客ということなのでしょう。
電車に乗ると、座席定員の3分の2くらいの乗り。最後尾の女性専用車(土休日含め終日実施!)には、殆ど人が乗っていませんでした。
10分もかからずに和田岬駅へ。
和田岬駅
ここはJR和田岬線(山陽本線の支線)の和田岬駅が至近で、実際に乗り換えも可能ではあるのですが、和田岬線が朝夕しか運転がないためか、乗り換え案内で案内されることはありませんでした。
和田岬線の和田岬駅は、2番出口のすぐそばにあります。
ホームしかない無人駅
和田岬線は途中駅が無く、運賃収受は兵庫駅で行っているので(東武大師線や名鉄築港線と同じ方式)、これでいいわけです。
このあたりは三菱神戸病院があったり(現実に海岸線の駅の副名称には『三菱神戸病院前』というのがついている)、三菱重工や三菱電機の工場があるなど、まさに三菱の牙城という感じですが、海岸線を利用する通勤客や通院客はどのくらいいるのでしょうか。
(和田岬駅は改めて記事にします)
以前は和田岬線を廃線にする計画もあったようですが、今のところラッシュ時だけの運転とはいえ、それなりの利用客を掴んでいることから、海岸線を利用する通勤客や通院客は少ないのではないかと思われます。そしてそのことが、海岸線の利用が伸び悩む原因のひとつともなっているようです。
あとは、和田岬駅の隣の御崎公園駅が、ヴィッセル神戸のホームスタジアム(ノエビアスタジアム神戸)の最寄り駅なので、サッカー観戦客の利用も見込めますが、サッカーの試合は毎日開催されるわけではありませんから、その需要も高が知れています。
ただ和田岬駅の周囲を見る限りでは、住宅も結構あるので、それなりの利用は見込めるはずだったのですが、やはり乗客の見積もりを甘く考えたんでしょうか。
新長田では、「鉄人28号」の像を見てきました。
でかい
子供たちが「鉄人28号」像に登って(登ろうとして)遊んでいるのが印象的でした。見ようによっては、足元にじゃれてくる子供たちを、鉄人が優しく見守っているような。
感想。
海岸線の利用客を増やすには何かないのか…と思います。やはり、三宮が既存の鉄道の各駅と離れていることや、地上にバスが通っていて利用されにくいということなどがあるのではないかと思われます。それと、指摘されているのが長田区の人口の激減。長田区はあの阪神・淡路大震災で最も大きな被害を受けた場所であり、当時の住民が戻っていないことが、海岸線の利用低迷の理由に挙げられることがあります。
三宮駅がもうちょっと近ければ、あるいは違っていたのかもしれませんが。
最後に。
神戸市営地下鉄では、両路線とも女性専用車両を設定しています。それも、平日・土休日を問わず終日。
これは流石にやり過ぎなのではないかと思いますが。しかも海岸線は4両のうちの1両で、比率は高くなっています。しかも管理人が見る限り、当の女性もそれほど乗っているわけではありませんでしたから、何の意味があるのか疑問に思いました。平日のラッシュ時くらいでいいのではないかと…。
(女性専用車の是非及びそのあり方に関しては、コメントをご遠慮願います)