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冒頭の写真は、成田空港駅で撮影した新型AE車です。この車両の特徴は側面のカッコ良過ぎるロゴですが、これが京成上野駅だとホームがカツカツで撮影しにくいため、成田空港駅で撮影したものです。

また、前面形状はこの車両の営業運転開始後初めて撮影しました。


当ブログでは、まだ新型AE車についての車内外の写真をアップしていませんでしたので、8月4日(水)の夜、京成上野19時30分発の「イブニングライナー67号」に終点・成田空港まで乗車しました。終点まで乗ったのは、本線のカーブの多い区間の乗り心地を検証したかったのと、アクセス特急で帰りたかったからです。

したがって、当記事は「イブニングライナー」の様子よりも、新型AE車の写真を主に取り上げますので、その点は御容赦下さいm(__)m


まずデッキ。中はグレーを基調としたカラーリングでまとめられていますが、手すり部分に青色の照明があり、それが青白く光っているのが実に幻想的です。

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これは夜間飛行か成層圏をイメージしたものか?


青色は、この車両の至る所に使われている色で、この車両のデザインのキーとなっているカラーといってもよいかもしれません。

外装は白と紺のツートンカラーなので、内装もやはり青でまとめようということでしょう。


デッキは青みがかった半透明のガラスで仕切られており、これもお洒落な感じがします。ただし、JR九州885系やJR東日本253系のような、スイッチひとつでスリガラスと透明ガラスを切り替える機能はないようです。

デッキを入ると、前方には荷物置き場があります。JRのE259系ではダイヤル式の鍵が備え付けられていましたが、この新型AEにはありません。これは、E259系がデッキの外に荷物置き場を配置しているのに対し、こちらは客室の中に配置しているからでしょう。


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荷物置き場は、客室の中


座席は、回転式リクライニングシートが1050mmピッチで展開しています。この数値は先代のAE100形よりも10mm広いですが、「バネックス」といわれる構造を採用しているため背ずりを薄くしてあり、そのため実際の数値以上にシートピッチは広がっています。また、座席の付け根の部分には携帯電話の充電やパソコンの使用などを想定し、人数分のACコンセントが用意されています。座席の付け根に配置したのは、座席を向かい合わせにしても使用できるようにという配慮でしょう。

客室の全景と椅子のクローズアップの写真を2点、ノーキャプションでどうぞ。


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いかがでしょうか?

京成上野から成田空港まで1時間ちょっとかかりましたが、管理人自身はそれほど疲れは感じませんでした。しかし、腰を下ろしたときの違和感は相変わらずありましたが…。これはひょっとすると、事務用(デスクワーク用)椅子の発想を鉄道車両に持ち込んだ初めての事例かもしれません。あるいは、この椅子に座るのが2度目ということで、ある種の「慣れ」のようなものがあるんでしょうか。


そして、新型AE車をある意味で最も強烈に印象付けているのが、その高いドーム上の天井でしょう。これによって、体格の大きな外国人にも圧迫感を感じないようにさせるとともに、開放感を狙ったものと評価できますが、この天井の形状、どう見ても小田急のVSEやMSEですよね? どなたかが新型AE車のことを「京成のVSE」と評しておられましたが、なるほど分かるような気がします。

ちなみに…これで荷棚にも照明が仕込んであったら、ほとんど南海の特急車ですね。


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車端部のモニターといい、ドーム状の天井といい、見つけは小田急VSE・MSEと瓜二つ


「イブニングライナー」は号車指定制です。上野乗車だと2~4号車、日暮里乗車だと5~7号車、青砥乗車だと8号車が割り当てられるようです。

それはいいのですが、上野発車前に一部の心臓の強い乗客が、4号車を突き抜けて5号車より後ろに乗車する「横紙破り」が見られました。これって日暮里到着時にトラブルにならないんでしょうか。日暮里発車まで4号車と5号車の間の貫通路は施錠しておいた方がいいと思いました。


チラシの裏

こういう「横紙破り」をする人って、男性は仕事上でもそれなりの立場にありそうに見える人が多いですし、女性もそう。こういう人を見るといつも管理人は思うのですが、この人たちは自分の子供にどういう教育をしているのでしょうか。


日暮里に停車して多くの通勤客を飲み込んだ後は、ゆっくりゆっくりと高架線をたどります。そして日暮里発車後20分ほどで青砥。さすがにここで下車する人は(愛好家以外には)いないだろうと思うのですが、押上・都営地下鉄・京急線方面への連絡の案内放送が律儀に流れたのには驚きました。

あとは「スカイアクセス」とは打って変わった、よく言えばゆったりした、悪く言えばとろとろした走りで進んでいきます。主たる乗客は沿線への帰宅客で空港旅客ではないので(とはいえ、この時間帯でも豪州やハワイへの便には搭乗できるため、航空利用客ももちろん少数ながら乗車している)、ゆったり走っても無問題なのでしょう。

カーブの多い佐倉以遠の区間ですが、乗り心地にはそれほど問題を感じませんでした。このことは、新型AE車が揺れに対する対策をしっかり取っていることの証左です。もっとも、スカイアクセスほどはスピードを出すわけではないので、それはそれでいいのかもしれませんが。

下車客は八千代台と佐倉がほとんどで、成田まで乗り通した人は少数、空港第2ビル以遠まで乗った人は航空旅客だけで、それも1車両あたり数人という数でした。


というわけで20時47分成田空港へ到着。到着後は車両はすぐ引き上げ、管理人も復路の切符を購入しました。


ちなみに、帰りは「アクセス特急」に乗りたかったのですが、「スカイライナー」で160km/h運転を味わってみることにし、21時08分発の「スカイライナー52号」に乗車。車両は、往路と同じ編成でした。

空港第2ビルを出ると、トンネル区間の蛍光灯の飛び方が、明らかに京成本線の乗車時と異なる速さとなります。そして地上に出ると、今度は沿線の街灯や建物の灯が恐ろしい勢いで後ろにかっ飛んでいきました。なんと、空港第2ビル発車後10分もしないうちに成田湯川駅を通過、その後車端部のテレビモニターに前面展望が映し出されました。前面展望は160km/hでの運転が終了する印旛日本医大通過までには放映を止めてしまいましたので、スカイアクセスでの160km/h区間のみの特典なんでしょうか。

印旛日本医大から矢切のあたりまでは130km/hは出ているはずなのに、160km/hを先に体験してしまうと、なぜか遅く感じるのは不思議でした。本線に合流した高砂から先は、やけにとろとろ走っている感覚しかなく、早く日暮里に着きたい気持ちが出てきました。

以上の乗車後の感想からすると、まだ乗ったことのない方が新スカイライナーに初乗りされる場合には、下り列車の方が圧倒的にお勧めです。


成田スカイアクセス開業記念の「愛すべき未来へ」シリーズですが、次回は成田→羽田間のリムジンバス利用の様子とその感想をアップして、締めにしたいと思います。今しばらくのお付き合いの程、よろしくお願い申し上げますm(__)m