長崎市長選に思う③ | 非常勤講師はつらいよ―私学非正規教員の本音と生活向上作戦

長崎市長選に思う③

 書きかけていたので続きです。長くなってしまうため、改めてエントリーします。

satochさん、ご意見ありがとうございました。一応、自分の考えも後ほど述べます。



(3)伊藤市長の長女(横尾氏の妻)の発言


 最初にこれを知った時は、非常に残念でした。


伊藤前市長は素晴らしかったとはいえ、婿は別人。まして、長崎で生まれ育ったり長崎に勤めているわけでもない。
(親族といえど前市長との直接の血縁関係はない。どうせなら、この長女など実子が出馬した方が、当選の可能性が高かったのでは?)
そうした現状を踏まえ、哀悼の意と市政は別と考えた人が相対的に多かったという事でしょう。
とはいえ、横尾氏と田上氏は千票にも満たない僅差でしたから、大健闘でしたよ。


また伊藤前市長は、市民に大いに評価されていたと思います。無効票の多さ もそれを物語っています。
冷静な判断を下した人もいた一方で、「それでも伊藤市長」と思った人もいたわけです。


なのに、こうして支えて下さった人々の恩を仇で返すような失言。
「伊藤一長の娘はその程度の存在でしたか?その貴女の言葉こそ、伊藤市長は浮かばれないと思います」

などと、彼女の言葉を借りて、このように返したくもなるかもしれません。
これで次回以降、親族が立候補されても、当選はますます難しくなってしまった感じです。


ただ改めて考えると、父親があのような非業な目に遭い、その死を悼んだり悲しみを癒す間もなく、夫が出馬のため選挙運動。
選挙は立候補者や近しい人にとっては相当、心身に来るらしいですから。にも関わらず落選で、次の望みも絶たれた。
それ以外にも、もしかして関係者にしか分からない、後援会や側近との軋轢、その中には突然に手のひらを返したように背を向けて行った者もいたかもしれません。
その精神状態は、我々の想像を絶するものでしょう。
あの言葉、一見は市民に対してへの発言に取れますが、こうしたすべてに対するやるせなさであったのかもしれません。
そう考えると、彼女ばかり責められなくなってしまいました。むしろ、そのような状態で公の場に出したり、言葉を求める人々はもう少し配慮してあげられれば良かったかもしれないです。
いずれにせよ、改めて伊藤前市長のご冥福と共に、ご遺族の方々のお心が少しでも早く穏やかになられる事を祈ります。


*現職大物の死による身内の出馬というと、小渕元首相とその娘の件が真っ先に思い浮かびます。
 そういえば、この前市長の長女も故・小渕氏の娘も「優子」ですね!



(4)田上新市長への抗議について


 確かに今回の選挙は問題もありましたし、トップ当選とはいえ過半数にも満たない得票では納得いかない人が出てくるのは仕方ない。
文句を言いたいのも無理はないが、ならば国とか選挙管理部門か何かに言うべきでしょう?
また、仮に選挙をやり直したところで更なる適役が出るとは思わないし、横尾氏も妻のああいう発言から、ますます田上氏に得票差をつけられるような・・・
田上市長を非難するのは筋違いであり、脅迫めいた電話もあったというから、ここまで来ると「言葉の暴力」である。
悲惨な銃撃事件により「暴力は絶対に許さない」とますます強く感じたのとは、正反対の行為ではないか?
これでは、銃撃犯と何ら変わりはないのでは?
この市長に不満な人も、現行の選挙制度にて市民に選ばれたのだから、まずはお手並みを拝見し、それで問題があれば意見をしてみてはいかがでしょうか?
凶器でも言葉でも、暴力はあってはならないし、それらに新市長は毅然とした姿勢で臨んで頂きたいものです。