冥王星、惑星から外れる!
太陽系惑星:冥王星を除外 最終案を賛成多数で IAU
【プラハ会川晴之】チェコのプラハで総会を開いている国際天文学連合(IAU)は最終日の24日、全体会議で惑星の定義案を議決し、冥王星を惑星から外す最終案を賛成多数で採択した。これにより、太陽系の惑星数は現在の9個から8個となる。全体会議に出席した約1000人の科学者全員が投票し、歴史的問題の決着を図った。
可決された定義は、太陽系惑星を(1)自らの重力で球状となる(2)太陽を周回する(3)軌道周辺で、圧倒的に支配的な天体--と定義した。水星から海王星までの八つが惑星となる。軌道周辺に同規模の天体があり、3番目の条件を満たさない冥王星は、惑星から外れた。
冥王星を惑星として存続させる主張も根強く、水星から海王星までの八つを「古典的惑星」とする一方、自らの重力で球状となるが、軌道周辺で圧倒的ではない天体を惑星の一種の「矮惑星」と位置づけることで、冥王星を惑星の地位にとどめる対案も提出されたが、否決された。
また、惑星の定義案とは別に(1)冥王星を海王星以遠にある天体群の典型例と位置づける(2)その新天体群の名称を「冥王星系天体」と呼ぶ--の2案も合わせて採決した。
観測技術の進歩で冥王星周辺で新天体の発見が相次ぎ、「惑星とは何か」を巡る議論が盛んになったため、IAUは2年前に惑星の定義づくりを始めた。惑星を専門とする天文学者には最終案支持が多かったが、冥王星の社会的認知度を重視する人々など、他分野の専門家にはさまざまな見解があり、複数の案を提示して決着を図った。
毎日新聞 2006年8月24日 21時12分 (最終更新時間 8月24日 23時15分)