日付けが変わって、LOSTを見終わったあきちゃんがベッドにいた私の横に来た。照明を消してから「ねぇ、私に誕生日おめでとうは?」と聞いた「あ・・・」と呟く。すっかりド忘れ。そんなことだろうと思って私はあえて誕生日だというのを言わなかった「ド忘れしてた。余裕ねぇなぁ、オレ・・・」そうじゃないでしょ?わかっているからこそ私から言わなかったんじゃん!!腕枕で抱っこされてるのにもかかわらず、空しいやら悲しいやら寂しいやらで、ボロボロ涙が出る。目尻をつたって、あきちゃんのTシャツに染みが広がる。あきちゃんが私の手を握る。歯痒くて振り払いたいのに出来なくて力が入る。もっと悲しくてまた涙が出る。眠ったのを見計らって、私は腕をすり抜けてトイレに行く。深呼吸してベッドに戻る。こんな時にかぎってポニョは大人しい。朝、起きたらどんな顔してたらいいんだろう。いつものように過度に笑ってられるんだろうか。別に欲しいモンがあるわけじゃない「おめでとう」って、たった一言でよかった。きっと来年も、さ来年も、その先もずっと、私が自分から誕生日だというのを言うことはないだろう・・・。それだけはハッキリわかる。意地っ
張りだと言われてもいい。そうだよ?私にだって意地があるよ!!悔しいもん!!負けたくないんだもん!!忘れててもいいよ!!そのかわり、ずっと忘れててよね!!