14年前の今日、私は二十歳の誕生日だった。私の祖父が死んだ日でもある。祖父はスキルス性胃ガンで、夏までもたないと言われていた。焼酎とタバコが大好きだった。死ぬ直前、祖父はタバコを吸って布団に戻る途中、足を滑らせて転んで首の骨を折った。実家を出ていた私は連絡を受けてすぐ帰った。ワイパーが効かないくらい、凄まじい雨だった。家族や親戚が寝静まり、祖父の遺体と私、2人になった「私・・・今日二十歳になったんだよ」セブンスターに火をつける。深く吸って、また深く吐く。祖父は入院中、高校生だった私に「タバコを一本ちょうだい」ねだられては喫煙所で2人タバコを吸った。そんなことを思い出した私は、残りのセブンスターを棺に入れた。・・・そんなこともあったなぁと笑ってしまう。14年後の今日、私は34歳になり、お腹に赤ちゃんがいて元気よく育っている。
じいちゃん、私はもう少ししたら母チャンになるんだ。あの世から見てますか?じいちゃん、喜んでくれてますか?しばらく夢にも出てこないけど、何か食べたいモンとかない?じいちゃん、会いたいよ・・・。私のお腹、触ってよ・・・。じいちゃんの曾孫なんだぞ!夢にくらい出てこーい(」 ̄ο ̄)」