アベノミクスへの強い期待が失望に変わる中、海外投資家は近年
にないペースで日本株を売っている、と語る。失望が大きくなる中、
日本株を処分している、とも語り、撤退を印象づけている。ロイター
も同様に、アベノミクスへの疑念のため、海外投資家は日本株から
手を引くよう駆り立てられている、と語る。不安定な経済によりアベ
ノミクスへの幻滅が募る中、海外投資家は日本株から手を引きつつ
ある、と語っている。
両メディアは、海外投資家が今年、日本株を大きく売り越している
データを挙げている。WSJは、QUICK(日本経済新聞社グループの
金融情報サービス会社)が提供する東京証券取引所のデータによ
るものとして、今年1~5月、海外勢は日本株を4.5兆円売り越した、
と伝えている。少なくとも2003年以降のどの年の同じ時期よりも、
規模の大きな集団脱出だ、と同紙は語っている。ロイターによると
これは現物株式の売り越しで、前年同期の約2.83兆円の買い越しか
らのはっきりした転換だ、と語っている。
類例のデータを挙げるならば、2015年度、海外投資家は日本株を
約5.1兆円売り越した(日経新聞、産経ニュース)。年度ベースで売り
越したのは、「リーマン・ショック」の起きた2008年度以来だった。
年度ベースの売り越し額としては、「ブラックマンデー」のあった
1987年度に次ぐものである。
