「悲しい話だね」
洋子は鍋島の墓参りからの帰り道ポツリとそうつぶやいた。
「え?」
「だってそうでしょう・・・」
「おじさんは今までずっと一人ぼっちで居たのよ」
「もう少し何か出来る事があったんじゃないの・・・」
「だけど・・・」
と言いかけて洋子は口を閉じた。
何か釈然としないモノが洋子の中で沸き上がってくるのが解る。
納得できないのだ・・・
洋子にも私にも・・・
はたして本当にあれでよかったのだろうか?
いや、少なくとも私や洋子はあれでよかったのだと思いたい。
鍋島亡き後、今となっては
誰も故人の気持ちなど解らないのだが・・・
「もう忘れましょう、それよりこれから夜桜見物しない」
何かが吹っ切れたように洋子はそう言った。
「いいのかよ、店は」
「たまには良いわよ。敦子もいるし」
洋子と私はだらだらと桜公園に続く
長い坂道を登り始めた。
振り返ると街全体が見渡せる。
夕方近くなったせいかぼちぼち街灯も灯り始めた。
坂道の両側にある小さな桜並木のぼんぼりにも灯りが灯る。
「まだまだ、滅びないわねこの街は」
「そうだな」
桜公園の真下にあるアーケード商店街は
相変わらずひっそりかんとしている。
でも、あの屋根の下にはがんばっている人々が居るのだ。
そう思うと何だか妙に勇気が出てくる。
「競争しよう、公園までどちらが先に着くか」
「え・・・・」
「負けた方が、団子をおごるってのはどうよ」
そう言うが早いか洋子は駆けだしていた。
「おい、歳考えろよ・・・」
そう言いながらもよたよたと
私は洋子の後を追うようにして駆け出す。
恐れていても始まらない・・・
所詮人生はなるようにしかならないのだ。
それが、私たちの出した答えだった。
頭上からは春風に舞う桜の花ビラが
ヒラヒラと舞い落ちていった。
洋子は鍋島の墓参りからの帰り道ポツリとそうつぶやいた。
「え?」
「だってそうでしょう・・・」
「おじさんは今までずっと一人ぼっちで居たのよ」
「もう少し何か出来る事があったんじゃないの・・・」
「だけど・・・」
と言いかけて洋子は口を閉じた。
何か釈然としないモノが洋子の中で沸き上がってくるのが解る。
納得できないのだ・・・
洋子にも私にも・・・
はたして本当にあれでよかったのだろうか?
いや、少なくとも私や洋子はあれでよかったのだと思いたい。
鍋島亡き後、今となっては
誰も故人の気持ちなど解らないのだが・・・
「もう忘れましょう、それよりこれから夜桜見物しない」
何かが吹っ切れたように洋子はそう言った。
「いいのかよ、店は」
「たまには良いわよ。敦子もいるし」
洋子と私はだらだらと桜公園に続く
長い坂道を登り始めた。
振り返ると街全体が見渡せる。
夕方近くなったせいかぼちぼち街灯も灯り始めた。
坂道の両側にある小さな桜並木のぼんぼりにも灯りが灯る。
「まだまだ、滅びないわねこの街は」
「そうだな」
桜公園の真下にあるアーケード商店街は
相変わらずひっそりかんとしている。
でも、あの屋根の下にはがんばっている人々が居るのだ。
そう思うと何だか妙に勇気が出てくる。
「競争しよう、公園までどちらが先に着くか」
「え・・・・」
「負けた方が、団子をおごるってのはどうよ」
そう言うが早いか洋子は駆けだしていた。
「おい、歳考えろよ・・・」
そう言いながらもよたよたと
私は洋子の後を追うようにして駆け出す。
恐れていても始まらない・・・
所詮人生はなるようにしかならないのだ。
それが、私たちの出した答えだった。
頭上からは春風に舞う桜の花ビラが
ヒラヒラと舞い落ちていった。

