最後の瞬間はあんなにもあっけなかった。


あの時の一瞬一瞬をもっと


焼きつけておけば良かった。


努力だけじゃ届かない、それは皆知ってる


なのに向かうのはそこしかない


それしかないんだ


完璧な人間なんていない


でもどうしたって


上がってく人間はそんな風にしか見えない。


必要とされるのも


やっぱりそういう人間なんだ。


大半の選手はそういう立場の者だった。


そして、途中で心が折れる。


完璧な人間など、この世にいない


人は、何を持って完璧なのか


何度も何度も挫折して、それでも諦めない。


バスケットボールを始めるまでの僕は


何も分かっていなかった。


自分の居場所や


存在理由みたいなものを求めてた


そんなものはどこにもあるワケないのに


ただ必要とされたい、ただそれだけでいい


僕にバスケを教えてくれた恩師は


中学生最後の試合は


スタメンに選んでくれた


あの時の言葉が、弱さと愚かさを


吹き飛ばして受け取った確かなもの。


それは繋げていくということ。


叶わなかった夢と、確かな足跡を。