僕は今でもバスケを続けている。

学生時代からずっとだ。

僕は誰とも馴染めず

ただ面白くも何ともないけど登校する

そんな生徒だった。

バスケは、教師に誘われたのが

きっかけで何となくという形で始めた。

その教師という人はいつも僕を

気にかけてくれていて

大して仲のいい友達もいない

熱中して打ち込むモノもない僕に

顧問を勤めているバスケ部に誘って

くれたと、後になって知った。

それまで日陰にいた僕が

体育館のコートを駆け

コートの空気を吸って、風を感じて

汗をかいて

空を見上げるようになった。

文字通り、世界が変わったんだ。

バスケ部で1番身長が低く

他の同級生たちより一年遅れで始めた

みんなに追いつけるように

邪魔な存在にならないように

誰よりも練習した。

そんな努力を周りの人はちゃんと

見てくれている。

そうして、僕には「仲間」が出来た。


僕の青春は失敗と後悔の

くり返しだった。

そしてその後悔を

今でも引きずっている。

あの時、冷静にシュートを打てていれば

あの瞬間もっと良いパスを出せていれば

そう考えたらキリがない。

もしもあの日に戻れたとしたら

僕の未来は現在と

変わっていたんだろうか。

それを確かめるために41歳になった

今でも僕はバスケをしている。

僕の世界を変えてくれた

恩師の気持ちに報えるように