お悩み相談室のmy Pick

 

僕は10年前、命を落としかけました。

 

妻が自死の為に発生させた硫化水素を吸い込んだからです。

 

現場の自宅から病院に搬送されている間

 

何か恐ろしいものにじっと見つめられていた気がしました。

 

過去の美しい思い出が走馬灯のように見えることなど

 

ありませんでした。

 

その恐ろしいものに負けないために

 

ただひたすら現実にしがみつこうと必死だったからだと

 

思います。

 

でも、ダメでした。

 

その恐ろしいものの手が僕を闇の中に引き摺り込んで行きました。

 

徐々に暗闇に包まれていく間に感じたのは

 

痛みから解放される方法なんかでは無くて

 

大切な人の命が奪われる、痛みと憎しみでした。

 

人の命がなくなるという事は

 

その人の過去も現在も未来も全てなくなると言う事です。

 

その人の記憶も、その人の家族や友人の記憶も全て

 

なくなるということです。

 

僕は奇跡的に生き返りました。

 

また、笑ったり、泣いたりできます。

 

でも、コロナウイルスという得体のしれないものに

 

命を奪われた人たちは、それさえできなくなるという事です

 

今、コロナで命を落とす人

 

失業や廃業で支援も受けられず自ら死を選ぶ人が

 

急増しています。

 

ニュースでは「死亡者数」と簡単に数字で発表しているけれど

 

それと同時数の悲劇が起きているということを

 

政府にも分かってもらいたい。

 

薄ら笑いを浮かべて、記者会見に望むことだけは

 

やめてもらいたい。