お悩み相談室のmy Pick
毎年、冬になると心が弱る。
いつからだろうか。
僕を養子ではなく、本当の子供のように
愛情を注いでくれた母を自死で亡くしてからか
あの日も3月の雪が降る寒い夜だった。
前妻を亡くしたのも寒い寒い朝だった。
周囲から勧められ精神科に行き
うつ病と診断されてからか
毎年のように、なんの前兆もなく発作に襲われ
不眠、咳などの症状に加え
「生きている」という重圧に
潰されそうになる。
僕は、もしかしたら生まれてすぐに
死んでいたかもしれない人間だ。
僕を産んだ母に捨てられ、発見されるのが
もう少し遅かったら、助からなかっただろう。
施設で育ち、学生時代は誰よりも「痛み」に
強かった。出会いにも恵まれ、今日まで
生きてこれた。
命の尊さも「人生は一度きり」
ということは人一倍知っているつもりだ。
だからこそ「生きている」ということについて
考えすぎるのかもしれない。
僕はちっぽけで空っぽで弱虫だ。
これからも毎年、この季節になるたびに
旅の終わりについて考えてしまうんだろうか。
