前妻の死からまだ10年もやっていない
だけどもう、あれ以前の僕が
本当に僕だったのか、わからなくなる時がある
今の僕は、もう違う別の人生に投げ込まれている
僕はいつも、いつも言葉が頭の中を駆け巡ってる
「どうしてこんなことに?」
「僕が何か悪い事をしたのか?」
「どうやったら避けられた?」
「何がどうなっていれば
あの日、あの時、全てを奪われずに済んだのか?」
「あの医者のせいなんじゃないか?」
「うつ病と診断したあの医者の。」
「避けられなかったのか?」
それが運命?決まっていた事だとしたら
僕が今まで生きてきた時間や
経験してきたことは
全部意味が無かったってことなのか?
・・・僕は駄目な人間だ
どうせ顔が見えない事をいいことに
自分より辛く苦しい人生を歩んでいるかも知れない
読者の人にこんなぐちゃぐちゃな気持ちをぶちまけて
それで少し気持ちが楽になってる。
祖母に残された命が少ない事を知り
改めて自分が昔より随分と弱くなったことに気づく。
昔の僕は人生をジェットコースターだと思っていた。
あれって、実際乗ってる時間は何分かだ
だからって、あれに乗ってる最中に
あと、何分しかない あと何秒かで終わっちゃう
そんなことばかり考えてたら
何のために乗ったかわからない。
何のために生まれてきたか分からない。
そんなヒマない。
そう言うふうに前向きに物事を考えてこれた
強くはないけど、強くあろうとした僕が
あの頃確かに居た。
大切な人との死別
かけがえのない人との別れ
そんな事を繰り返す度に
いつの間にか、くだらない弱い人間に
なってしまった。
新型コロナウイルス・・・やっぱり僕も
心のどこかで他人事と思っていたんだろう。
でもコロナのせいで、残り少ない命を懸命に
生きている祖母に面会もできないと言う
現実を叩きつけられて
あの強かった祖母をここまで弱くさせた
得体の知れないこのウイルスを
心底恨んだ