家族などの存在を自死で亡くした人が
定期的に集まる、自死遺族の会というものがある。
心療内科を受診すると勧められ、参加していた。
自死によって大切な存在を失った方が集まり
同じ痛みを受けた体験を語り合い、誰かに話を
聞いてもらうことによって、心に負った傷を
癒すという目的だ。しかし・・・
遺族の会に参加した日、必ず気分が沈んでいたことに
気がついた。
今ではもう遺族の会に参加することは無くなった。
なぜなら、他の誰かに聞いてもらう必要はないから。
僕の痛みを理解してくれる人と出会えたから。
以前の僕なら、その人を好きになっていなかった。
あの頃の僕にはこの人が見えていなかったと思うから。
だけど、僕は変わった。新しいものを手に入れた。
変わることがいいことなのかはわからない。
変わったことが、いいかどうか分からない。
変わったことで、去っていった人
失ったもの。
だけど、これだけは言える。
あの頃の僕に戻りたいと思っていない。