7年前の僕はホームレスだった。

 

妻を亡くしたと同時に全財産を妻の両親に没収されたからだ

 

今の生活との落差が凄すぎるとしみじみ感じる。

 

本物のホームレス生活は2ヶ月ほどだったのだが

 

なかなか経験できない生活をした。

 

ホームレスが、どのような生活をしているか

 

ネットやテレビドラマで観るよりずっと過酷だった。

 

僕がホームレスと自治体に登録され、炊き出しに並ぶ

 

権利をもらった。

 

炊き出しと言っても、毎日行われる訳ではなく

 

夏は2週間に一度、冬は週に一度の金曜日

 

午後6時に列に並ぶ。その時、弁当と豚汁をもらう

 

そのほかにも衣類に困っている人のためにボロボロだが

 

洋服ももらえるし、医師の健康診断も受けられる。

 

ホームレスといえば、空き缶収集などで小銭を稼ぐ

 

イメージがあるが、実際はそう言った収入がある場合

 

ホームレスとして登録されない。

 

「この人は働ける。」と判断されて、簡易宿泊所も

 

泊まる事ができない。本当に橋の下で段ボールハウスで

 

生活することになる。

 

ホームレスになる人にはそれぞれ事情があるのだが

 

一番多い理由は「他人と関わるのが面倒になった」

 

という人だった。

 

そう言った人は炊き出しも貰えないし、列に並んでいると

 

摘み出されてしまう。

 

僕の場合、川沿いのベンチで夜中に一人で座っていた時

 

支援団体の人に話しかけられ、事情を話してすぐ

 

ホームレス登録された。

 

当時、僕はまだ30代前半だったので職が決まり

 

ホームレス登録から外されたわけだが、登録の際

 

知り得る親戚、知人全員に連絡が行く。

 

支援、保護者が居ないか確認するためだ。

 

そのせいで、僕がホームレスだという事が周囲に知られて

 

しまい、それが一番面倒だった。

 

その後職が決まり、働き出してやはりホームレスとしての

 

生活は人生の底辺だということを実感した。

 

毎日、ご飯が食べれることの有り難み

 

帰る場所があるという安心感を感じれるようになった。

 

もう2度とあんな生活はしたくはないが

 

生きている中で何が起きてもおかしく無い。

 

うつ病や心の病を抱えている人にとっては死活問題だ。

 

もし、今も心の病を抱えて現実逃避したいという気になっても

 

絶対、ホームレス生活はお勧めできない。