生まれてすぐに、捨てられているところを保護され

 

施設で育った。でも、そのことを不幸な事だとは

 

思わなかった。

 

これは準備期間なんだなあと幼いながらに考えていた。

 

次に走るため休んでるんだなと思っていた。

 

平気なフリをしていたわけじゃなく

 

本当にそう思っていた。

 

それはなんとなく確信があったから。

 

でも完璧じゃないから

 

時々、不安になったり、淋しくなったりしたことはあった。

 

だけど、しばらくするとまたすぐに、平気になった。

 

だって、どう考えても、これは

 

次につながっているとしか思えなかったから。